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[Live Report] さユり – 2016年2月24日 夜明けのパラレル実験室 〜僕街編〜

開場時間前、開場を待つ観客の長蛇の列がすでに出来ていた。それだけで、今のさユりに対する人々の関心が伺えるようだった。
開場の時間になり、スタッフが番号順に観客を誘導する。中にはデビュー前のさユりと同じポンチョを着ているコアなファンもいたりして、本当にファンから熱心に愛されてるなぁ。と感じた。

イベントが始まる頃には会場内は身動きが取れない程の観客で埋まっていて、これから始まるイベントへの期待感で会場内の空気が充満していた。

会場が暗転し、MCの”姫乃たま”が登場すると、すでに観客のボルテージが上がり始める。
姫乃たまに呼ばれ、さユりが登場すると凄い拍手で迎えられた。

この日は「僕街編」という事で、スペシャルゲストにアニメ「僕だけがいない街」の片桐愛梨役の赤崎千夏と雛月加代役の悠木碧とプロデューサーの鈴木健太が登場し、アニメのトークを繰り広げ会場の観客も楽しんでいた。

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スペシャルゲストとのトークコーナーが終了し、いよいよ観客も僕も待ちわびていた、さユりのライブのスタートだ。
ステージに、さユり・ギター・キーボードの3人が登場し、いきなり「来世で会おう」からスタート。2.5Dの会場の3面の壁に映される2次元の映像と完璧にリンクするライブは凄い迫力で圧巻だった!
もちろん、さユりの歌声は今日も素晴らしい。とにかく歌詞の一言一言が胸に突き刺さってくる、激しく感情を揺さぶる演奏だった。

「来世で会おう」を歌った後、MCでさユりは「私は歌いに来ました。あなた達は何を求めてここに来てくれましたか?」と問いかける。真っ直ぐで純粋なさユりの言葉はMCでも心に刺さってくる。そして、僕らに訴えかけてくる。
かと思えば、可愛らしいシャイな部分が出てきたりと、本当に色々な側面があり、さユりというアーティストは凄い存在だなと思った。

そして、続いて2曲目は「蜂と見世物」を演奏。ピアノの美しい音色とさユりの訴えかけてくるような強い歌声がとても印象的でカッコイイ楽曲だ。2曲目にして、もうさユりの世界観に完全に引き込まれている自分がいた。

3曲目は「僕だけがいない街」のエンディングテーマであり、この日2月24日にリリースを迎えた「それは小さな光のような」だった。イントロが鳴った瞬間から震えた。そして、さユりの第一声で思わず涙腺が緩む。
本人が「歌うにはエネルギーが必要です。」と言うこの楽曲の歌声は本当に美しい。前作ミカヅキの先にある、もっと外に向けて歌うという覚悟と、その試練を乗り越えた先にある美しさが見えた。
続けて、「スーサイドさかな」。CDに収録の弾き語りバージョンではなく、ピアノやギターが入る事で楽曲がより華やかになっていた。観客からも自然と手拍子が発生していた。この楽曲は歌詞がとても綺麗だと感じる曲だ。魚が好きと公言しているさユりだからこそ書ける独特の世界観の歌詞が本当に美しい。

「スーサイドさかな」の演奏が終わり、少し間を空けて「ミカヅキ」と一言だけつぶやき、「ミカヅキ」の演奏を開始。デビューシングルにして大名曲だと改めて思わされた。今日のライブでも、さユりのヒリヒリとした歌声は僕の胸を鷲掴みにした。
やはり、この楽曲で歌われる「それでも」というテーマは力強い。さユりの歌声もそれを物語るかのようだった。

6曲目は「光と闇」。
歌詞に出てくる「世界は変わっていくけれど〜」のクダリがとても印象的に会場に響き渡る。どの楽曲にも言える事なのだが、さユりの歌詞は本当に純粋さを持ち合わせた哲学だと思う。そして、彼女にしか書けない歌詞の世界観で会場が染まる。
気づけば、会場の観客とステージのさユりの存在が同調し、完全に空間を共有出来ている。これはとてつもなく凄い事だと感じる。そして、それを自然と作り出してしまうさユりの才能は本当に凄い。

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続けて、ハイテンポなドラムの打ち込みが鳴り響き、MCを少し挟んでから「ちよこれいと」のイントロへなだれ込んだ。この流れがとても素晴らしかった。テンションが高く明るいこの楽曲で観客のボルテージも上がり、観客は自由に手を上げ体を揺らしていた。この楽曲は個人的にもとても好きな楽曲なので、演奏してくれてとても嬉しかった。心なしかさユりも笑顔が溢れながら歌っていたように思う。

会場にいた観客はもちろん、この日のライブはニコニコ動画で流れていたのだが、画面越しに観ていた人も含め、彼女に救われる人がきっとこれからどんどん増えていくのだろう。そんな事を僕は考え確信していた。

そして、最後の曲は彼女がライブでよく演奏する「夜明けの詩」だった。歌詞の一番最後で、力強く「一歩踏み出せ」と希望を叫ぶ彼女は、ただのシンガーソングライターではなく、表現者であり、時代の代弁者であり、みんなにとっての救いの存在なんだと思う。そして、「ライブで歌う」という行為を通して彼女自身もまた救われているのだろう。

この日、終始感じていた事だが、彼女は本当に強く美しく、時に危うく、その危うささえも含め、とてつもなく素晴らしい魅力に溢れていた。
この日演奏されたのは8曲だったが、今後予定されているワンマンライブを含め、もっとライブでの彼女の歌が聴きたいと思わずにはいられない程、素晴らしい内容だった。

それは、ライブが終了した後の観客たちの笑顔が何よりも物語っていたと思う。みんなさユりのライブを楽しみ、そして救われ、自然と笑顔になれたのだと僕は感じた。

近い将来、さユりは日本の音楽界にいなくてはならない、とてつもなく大きな存在になる。そんな片鱗を感じるライブであった。

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2016年2月24日 2.5Dスタジオ
さユり – 夜明けのパラレル実験室 〜僕街編〜

Kohei Murata

Kohei Murata編集長・ライター

投稿者の過去記事

バンド活動を通して、自分の音楽を世界に発信する事を志しながら、同時に仕事での独立を目指して様々な業種を経験する。バンドでは日本のみならず台湾でも活動を行い、台湾でのアルバム2枚のリリースや大型野外フェスティバルへの出演も果たす。
その後、様々な仕事を経験し2015年独立。
現在は音楽メディアOptimanotesの編集長兼ライターとして、記事の執筆をしている。

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