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丸本莉子 – 「ココロ予報〜雨のち晴れ〜」レビュー:ココロの歌声

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2015年夏、ハイレゾ配信デビューという珍しい形でメジャーデビューした広島出身のシンガーソングライター。
一度耳にしたら忘れられない、そんな爽やかで暖かい印象的な歌声と伸びやかで透き通った素晴らしい歌唱力を持っている本格的なシンガーソングライターだ。

1st Mini Albumになる「ココロ予報〜雨のち晴れ〜」は表題曲「ココロ予報」をリードトラックに2nd配信シングル「やさしいうた」を含む全8曲が入ったMini Albumである。
なお、メジャーデビューシングル「ココロ予報」は主要サイトのデイリーチャート1位を獲得し、新人としては異例の3冠を達成している。

さて、気になる内容なのだが、終始感じるのは心を穏やかにしてくれる、その印象的で優しい歌声だ。
その歌声を聴いているだけで自然と鳥肌が立っている自分がいる。そして、彼女の音楽が体に入ってくる感触がとても柔らかくて暖かい。

1曲目「ココロ予報」、中村タイチ氏のアレンジが素晴らしい。イントロのピアノが切なくグッと楽曲に引き込まれる。
そこへ彼女の歌声が入ると、自然と目を瞑って聴き入りたくなる。人間の心が天気予報のように予報出来たら。そんな事を思って書かれたというこの楽曲はとても力強い歌詞が印象的だ。
天気と同じで人間の心はとても複雑で浮き沈みがある。でも、サビの最後で歌われる「大丈夫 大丈夫 大丈夫」という彼女の言葉を聴いていると本当に大丈夫な気持ちになる。
美しいメロディラインとサビのドラマチックなアレンジが秀逸だ。

2曲目「やさしいうた」、家族を想って書かれたこの曲はとてもシンプルだ。故に言葉が胸に響く。特別な事なんてなにもない。そばにいる人への愛情が「君は一人じゃないから」とやさしく歌われる。
楽曲も歌詞と呼応するようにとてもシンプルだ。何度も何度も聴き、その良さが増してゆくタイプの楽曲だと思う。
丸本本人も「まだ歌いこなせていない気がしている。これはもっといい歌になる、そんな予感がある曲。」と言っているが、まさに成長してゆく楽曲。そんな感じだ。

4曲目には嬉しいユーミン(荒井 由実)の「やさしさに包まれたら」のカバーも収録されている。
きっと、この曲を聴いてみんな彼女の歌声の力にすごく気づかされるのではないかと思う。ユーミンと言えば、その独特の歌声で有名だが、ユーミンの歌を聴いている時と同じ感覚に陥る。
もちろん、歌声が似ている。という事はないのだが、その個性という意味で、見事にユーミンの楽曲に歌声が合っている。
この有名曲を歌っている歌手はたくさんいるが、ここまでマッチしているカバーは初めて聴いた。

このMini AlbumにはBonus Trackとして「心のカタチ」「歩いてゆけ」の2曲のstudio liveが収録されているが、この2曲がまた素晴らしい。
全国300箇所以上を歌い歩いてきた彼女の実力を存分に感じさせてくれる楽曲である。

全体的に言える事だと思うのだが、日本のポップミュージックの良さが全て詰まっている。そんなMini Albumだと思う。
秀逸なアレンジ、一度聴いたら忘れられない秀逸なメロディ、そして個性的で心に訴えかけてくる歌声。

ハイレゾ配信でデビューした。という事も納得がいった気がした。彼女の歌は出来る限り音響で良い音質で聴きたいと思わされる。
彼女の歌声に包まれて浸りたい。そんな事を思った作品だ。

Kohei Murata

Kohei Murata編集長・ライター

投稿者の過去記事

バンド活動を通して、自分の音楽を世界に発信する事を志しながら、同時に仕事での独立を目指して様々な業種を経験する。バンドでは日本のみならず台湾でも活動を行い、台湾でのアルバム2枚のリリースや大型野外フェスティバルへの出演も果たす。
その後、様々な仕事を経験し2015年独立。
現在は音楽メディアOptimanotesの編集長兼ライターとして、記事の執筆をしている。

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