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ハイロック的音楽のすすめ Vol.6 – LAST GIGS 氷室京介30年の思いはジップロックの中へ

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2016年、5月23日。とうとうこの日が来てしまった。
『KYOSUKE HIMURO LAST GIGS』
耳の不調でライブ活動無期限休止を発表した氷室京介の最後のステージ。

従兄弟のお兄ちゃんの影響で初めてその歌声を聞いた小学校から数えて約30年の月日が経った。
僕の中学校時代では、地元群馬がいっしょということもあって、クラスの男子のほぼ全員がBOΦWYファン。
バンドブームも手伝って半数くらいは、コピーしてたと思う。
氷室派と布袋派に分かれて、カラオケではメインボーカルとコーラスを分担して歌った記憶も鮮明に覚えている。もちろんマイクは小指だけをマイクの下に潜らせて持つ、氷室さん特有の握り方で。
当時はカセットテープだったので、発売されていないデモテープ音源なんてのを友人と競うようにして入手していた。レンタルビデオ店に行って「GIGS CASE OF BOΦWY」のVHSを借りれば、店員のお兄さんに、君、BOΦWYのファンなの?なんて会話があるのもさすがBOΦWYのお膝元群馬といった感じだ。
氷室さんのステージで最も強烈に覚えてるのが、BOΦWY解散後、氷室京介ソロとして初めてテレビに出た日本レコード大賞。
真っ赤なスーツの上下で登場し、アルバム大賞を受賞した氷室さんが「このアルバムを作れたのは、半分はスタッフとファンのおかげ、もう半分は自分の実力だと思っています」という強烈にかっこいいコメントをして「ANGEL」を熱唱した。こどもながらに痺れた。そのときの様子は、今でも不思議なくらい鮮明に覚えている。

正直に言えば、氷室京介ファンではなくて、BOΦWYの氷室京介ファン。ただ氷室京介のあの歌声に、あのパフォーマンスに惚れ込んでいるファンであることは間違いない。

始まってくれ、始まらないでくれ。東京ドーム、氷室京介最後のライブを前に相反する気持ちが交錯した。
周りを見渡せば、僕と同じくらいの年代のファンで埋め尽くされている。年齢層高め。
2つ前の席には、美川憲一さんの姿も。お歳のせいもあって途中何度か席に着かれていたが、ONLY YOUが始まると立ち上がって手を降って声援を送っていた。

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氷室コール、人間ウェーブが起こり、ボルテージもMAXの中で始まった一曲目は、BOΦWYの「DREAMIN’」。
「最後に夢を見てる奴らに送るぜ」の名台詞を産んだBOΦWYの名曲だ。
会場は爆発して、氷室さんを指揮者に、5万5000人の歌声の大オーケストラとなった。
その後も全員がいっしょに大熱唱した。
氷室さんがライブ中のMCで「今日のドームが最高」と言っていたが、全員がまったく同じ気持だ。

今回がほんとの最後のステージということで、今までにも、震災あとのライブのときなど、何度か都市伝説的に噂されていたけど、布袋さんが登場するか? もう一度、BOΦWYのときのように、布袋サウンドで、ヒムロックの歌声が聞けるか?
結果から言うと、布袋さんが登場することは無かった。
BOΦWYの楽曲に関して言えば、どんな一流のミュージシャンが演奏しても氷室さんの大きなカラオケ大会に聞こえてしまう。
これが僕個人としての、BOΦWYの氷室京介ファンとしての正直な感想だ。
氷室京介の分厚くハスキーなあの歌声とBOΦWYのメロディーは、布袋さんのギターサウンドが一番良く似合う。
個人的には見てみたかったって気持ちもあったが、解散後に安易に再結成するバンドが多い中で、これもまたかっこいい氷室さんらしい決断だ。もしかしたら布袋さんを登場させるかどうかなんてことすら、はなから頭の中に無かったかもしれない。
と、ちょっと残念な気持ちもあったけど、それをふっ飛ばすくらい見事なステージだった。

トリプルアンコール、最後の曲はBOΦWYの「B・BLUE」。
1988年4月に東京ドームで行われたBOØWY最後のライブ“LAST GIGS”の1曲目で披露された曲が最後の曲となった。

作詞:氷室京介、作曲:布袋寅泰。

OH BABY TLUE 素直になれずに
ポケットにつめ込んだ 夢だけで過ごせたネ
OH BABY TLUE いつも傷つけあってたネ
OH BABY BLUE 違う明日を見つめてた

もしかしたらBOØWY時代の気持ちに置き換えて歌ったのかなぁ、、なんて勝手な想像を膨らませた。

最後の「B・BLUE」が終わり、東京ドームの照明が明るくなった。
終わった。

家に帰ってからは懐かしい YouTubeの映像を再生し続けた。
不思議とスカッとした気分。

一夜明けて、約30年間の少年のころからの思い出を思い出しながらこの原稿を書き上げている。
そしてその思い出は、昨日のライブの舞台演出で舞い散った紙テープをジップロックの中に完全保存することで一旦終わった。

ありがとう氷室京介。

ハイロック

ハイロックメディアクリエイター

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Fresh News Delivery 管理人
アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。人気サイトFresh News Delivery、ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。2014年、渋谷にLIL’RIRE CAFEをオープン。カフェでの新しいメディア表現を企画。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

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