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[Live Report] illion – 2016年7月25日 illion Japan Tour 2016 [Tokyo] Shinkiba STUDIO COAST

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待ちに待ったこの日がついにやってきた!
この日はRADWIMPSの野田洋次郎のソロユニットillionの東京公演だ。
2011年に活動を開始、海外での精力的なライブ活動は今でも記憶に新しい。結局、その時は日本での公演は実現しなかったので、本当に待ちに待った日本公演だ。
チケットは当たり前だけどSOLD OUT。

デビューアルバムは、RADWIMPSとはまた違った雰囲気の、本当に洋楽の雰囲気を纏ったような、でも野田洋次郎の世界観は変わらないような、そんな圧倒的な個性が爆発した名盤だった。
今年の10月にセカンドアルバムが発売される事が発表されているので、今日はその中の楽曲も演奏してくれるのではないかと、更に期待が高まる。

開演時間数分前、ギュウギュウの観客で詰まったSTUDIO COASTは、どこか緊張感と期待感が入り混じったような不思議な雰囲気を醸し出していた。

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そして、ついにその時が訪れた。会場暗転と共にDJのスクラッチ音。怒号のような歓声の中、オープニングアクトDJ PUNPEEのパフォーマンスがスタート!
途中、RADWIMPSの「おしゃかしゃま」「DADA」をマッシュアップする小粋なパフォーマンスで一気に会場の一体感は増し、illionの前にすでにシンガロングが起こり、会場のボルテージは一気に急上昇!
その後も、Nirvanaの「Smells like teen spirits」にラップを乗せたりJamiroquaiから椎名林檎・Dragon Ashまで、誰もが聴いた事のあるような楽曲をDJ PUNPEE独特の感覚でマッシュアップしてゆき、最後に加山雄三xRADWIMPS「いいんですか」のMixでしっかりと会場を温めてステージを後にした。

さて、いよいよもって、もう会場の観客達は待ちきれない様子だ。

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そして、ついにステージへバックバンドが登場。幻想的なSEの中、野田洋次郎が登場!会場は割れんばかりの歓声!いよいよillionのステージの始まりだ!
1曲目「LYNCH」。真っ赤な照明の中、ピアノのイントロから洋次郎の歌が入ると、一気に会場の空気がillionの空気になる。胸がドキドキする。凄い…。
アレンジがとにかく凄まじい。歌の為にある演奏じゃないし、演奏ありきの歌じゃない。これはillionという革新的なバンドだ!

編成は、洋次郎・ギター・ベース・ドラム・キーボード・チェロ・マニピュレーターという7人編成。

2曲目「AIWAGUMA」。どこか日本の童話のような世界観にも通じるメロディラインが印象的な楽曲。アルバムで聴くよりも、よりフリーキーな演奏が素晴らしい。

洋次郎から「STUDIO COAST元気かい?」「ここから最後まで思いっきり飛ばして行こうと思うけどいいかしら?いいかしら?いいかしらー?」と煽りが入り、コールアンドレスポンスが始まった。すでに会場はひとつになっている。そんな事を肌で感じた。
そして、ピアノが入りその流れで「PLANETARIAN」。この楽曲もどこか日本の祭囃子のような雰囲気を纏っている。楽曲の芯は凄く洋楽的でヨーロッパの空気感なのに。こんな楽曲を書ける野田洋次郎という人は、本当に天才なんだと思う。

4曲目「MAHOROBA」。この楽曲を聴くと、MVを思い出す。とても印象的で、野田洋次郎氏の顏が歪んでゆく、少し怖さを内包した凄く特徴のあるMVだった。
ライブでの演奏はピアノとチェロがとても綺麗に響き、洋次郎の歌も伸びやかに歌詞が胸に飛び込んで来た。ラスト、リズムが4つ打ちでダンサブルになるアレンジが秀逸!

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「楽しんでますか?こちらも楽しんでます!illionは今日が日本で初めてのワンマンになります。新曲を作っているので、やってもいいですか?」
というMCの後、まだタイトルも付いていない新曲の披露!!こういう事があるからライブは良い!
シンセサイザーとデジタルなビートで始まる英詞のこの曲は完全に洋楽だと思った。どこか80年代を彷彿とさせ、女性コーラスがとても印象的で、間奏前のメロディが素晴らしかった!ステージ後ろのスクリーンでは、様々な幾何学模様や鉱石などの映像が映し出され、とても不思議な空間を演出していた。

続いて、6曲目「ESPECIALLY」。爽やかなイントロとメロディが会場を暖かく包む。洋次郎の歌声は優しい。ブラシでのドラミングが特徴的で、海外の壮大な高原みたいなイメージが湧いてくる。今だけ、今だけここは日本じゃない。

7曲目「Water lily」!!!先日配信が始まったばかりの最新楽曲。イントロのディレイの効いたシンセサイザーが最高。途中からドラムも印象的なリズムを入れてくる。僕の中で、この曲はダンスミュージックだ。illion全体に言える事なのだが、どこかダンスミュージックの要素がどの曲にも隠れている気がする。
洋次郎の歌う日本語は今日も美しい。何でこんなにも胸を鷲掴みにされるのだほうか。さながら言葉の魔術師だ。

8曲目「FINGER PRINT」。イントロからちょっとコミカルなギターで始まるダンサブルな楽曲。でも、そんな楽曲もillionにかかれば、コミカルさがカッコ良さに変わる!
曲が進むにつれ、どんどんカッコ良さが増してゆく。サビなんて最高の盛り上がりだと思う!

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「まだまだ上がってけっかい?」とい掛け声でラッパー5lackをステージへ呼び込み、本日2曲目のタイトルが付いていない完全新曲!
ヒップホップのような、ポップスのような独特の感覚。ジャンルレス。Jazzかのようなフリーキーなバックバンドの演奏に洋次郎と5lackが綺麗に乗り歌いラップする。この曲、めちゃくちゃ好きです!めちゃくちゃ好み。

「次の曲はどう踊っていいか分からないから、気ままにやってください。俺も気ままにやるから。」というMCで始まったのは、「γ」。個人的にこの楽曲はイントロのピアノからドツボで、初めて聴いた時は鳥肌が止まらなかったのをよく覚えている。
この曲をライブで聴ける日が来るとは。ライブは当たり前だけど、より肉体的に凄い迫力で演奏された。そして、また僕の鳥肌は止まらなくなった。
なんてカッコ良い曲なんだ。照明が暗転したステージへ紫のライトがランダムに降り注ぎ、光の映像がステージ後ろで流れる完璧な演出空間!

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続いて11曲目、洋次郎がJazz Masterを持ち「BEEHIVE」。今日のライブでギターを持ったのは、これが初めてだ。少しRADWIMPSにも通じるリフやバッキングサウンド。でも、やはりリズムが凄い。RADWIMPSとの一番の感触の違いだと思う。ドラムが、本当に自由にダンスビートやエレクトロニカなビートを出してくるのだ。
歌詞に「もういいかい?まぁだだよ。」という日本古来から伝わる隠れんぼのフレーズが出てくるあたり、かなり憎い。

次に、ギターを置きピアノへ移動。
12曲目「BRAIN DRAIN」1stアルバム「UBU」の1曲目を飾る、UKの空気を纏った、まるで野田洋次郎とThom Yorkeが共作したかのような楽曲!ピアノのコード感と洋次郎の歌声が完全にマッチしていて、演奏に引き込まれる。
イントロのピアノのフレーズから秀逸。なんという世界観。この音楽が日本から生まれた事を誇りに思いたい。

13曲目「DANCE」。アコギと洋次郎の歌から始まる優しい楽曲。アコースティックサウンドにチェロが美しく絡む。音数が少な目なロングトーンを多用した洋次郎のメロディも気持ち良い。
Dメロで雰囲気が一瞬カントリーっぽくなるあたり、良いアレンジだなぁ。と単純に関心してしまう。
心が洗われるかのような、そんな楽曲。

ここで、次が最後の楽曲とアナウンスされ「アルバム1枚しか出していないから、、、新曲なかったらもたなかったよ。」と笑いを誘った。
今日のメンバー紹介を終え、「illionが生まれたのは震災が大きくて。あの震災をどう乗り越えればいいか分からなくて、毎日ひたすらスタジオに入って曲を作って「UBU」を作りました。」と語った。
「今はまた新たな実験の場として、色んな通り過ぎて行ってしまいそうな出来事をillionの中には閉じ込めようかなと。ちょっとオフな自分でもあるんですけど。本当は人に見せるべきものじゃない方かもしれないものをillionという音楽でやって、でもこんなに沢山の人にまた聴いてもらって楽しんでもらえるのは本当に幸せです。ありがとうございます。」と話した。そして、illion結成のきっかけになった5年前の震災の時に書いたという「GASSHOW」を演奏。
直前のMCも相まって、とてもとても感動的な演奏だった。ただでさえ、本当に壮大な楽曲なのだが、更に更に感動的に壮大な演奏になって会場中を包み込み響いていた。

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演奏を終え、洋次郎が「illionでした。また会いましょう。」と一言言うとバックバンドのメンバーと共にステージを去った。

その瞬間から、会場には大きなアンコールを求める拍手。誰もがまだまだ観ていたいと思っているのだ。聴いていたいと思っているのだ。アンコールに被せ歓声も大きく上がる。

そして、アンコールに応えメンバーが再度登場。

洋次郎が「アンコールで呼ばれても、ほとんど曲がなくて、だから作ったよ!5lackともう1曲。」「レコーディングも何もしていないピチピチな新曲です。」と言い、タイトルのない新曲をもう1曲演奏!!!
ファンクなリズムから、ループする印象的なピアノのフレーズとドラムのリズム。5lackのラップからサビで洋次郎の歌。
ヒップホップマナーをきちんと踏襲し、独自に消化した上で出来た楽曲。そんな印象を受けた。
本編で演奏された5lackとの楽曲もそうだったが、5lackと洋次郎の組合せはとても相性が良いと思った。
illionの音楽は進化しているんだと思った。

そして、アンコールラスト。「BIRDIE」。
アコギと歌をメインに置いたバラード。洋次郎の歌声が素晴らしい。胸に突き刺さる。最高のメロディ。涙腺が緩む。
洋次郎の歌声とメロディは本当に人の心を揺さぶる。感情に訴えかけてくる。

そして、アンコールも終わりライブが終わった。
まるで魔法にかけられているかのような、音楽の素晴らしさを全て心に届かせてくれる。そんな力強くて優しい時間だった。

ここ数年で観たライブの中で間違いなくベストアクトだったと思う。こんなにも素晴らしいライブの瞬間に立ち会えて本当に幸せだった。

まだアルバムの発売はこれからだし、illionは始まったばかりだ。これからの活動が本当に楽しみで仕方ない。

僕はiPhoneで2013年発表のファーストアルバム「UBU」を再生しながら、ライブの余韻に浸り帰路についた。

【セットリスト】
illion Japan Tour 2016 [Tokyo] Shinkiba STUDIO COAST

01, LYNCH
02, AIWAGUMA
03, PLANETARIAN
04, MAHOROBA
05, 新曲
06, ESPECIALLY
07, Water lily
08, FINGER PRINT
09, 新曲
10, γ
11, BEEHIVE
12, BRAIN DRAIN
13, DANCE
14, GASSHOW

ENCORE
EN01, 新曲
EN02, BIRDIE

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2016年7月25日 shinkiba STUDIO COAST
illion – Japan Tour 2016 [Tokyo] Shinkiba STUDIO COAST

Photo by 鳥居 洋介/Yosuke Torii

Kohei Murata

Kohei Murata編集長・ライター

投稿者の過去記事

バンド活動を通して、自分の音楽を世界に発信する事を志しながら、同時に仕事での独立を目指して様々な業種を経験する。バンドでは日本のみならず台湾でも活動を行い、台湾でのアルバム2枚のリリースや大型野外フェスティバルへの出演も果たす。
その後、様々な仕事を経験し2015年独立。
現在は音楽メディアOptimanotesの編集長兼ライターとして、記事の執筆をしている。

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