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[Interview] ササノマリイ – 生粋のクリエイターが語る新作「M(OTHER)」

今回は、ぼくのりりっくのぼうよみへの楽曲提供でも話題になっているササノマリイへのインタビューを行った。
僕が受けた印象は、根っからのクリエイターという部分が強かった。音への拘り、自身の音楽に対する哲学、そして、それを実行に移す実力や努力。
彼の音楽から伝わってくるものは、人間の様々な感情を呼び起こしてくれる。勿論、純粋に音楽として楽しむ事が出来るのも前提としてあるのだが、もっとコアな音楽ファンも納得するような綿密に計算されたサウンドアプローチやメロディ、そういった部分がどう作られているのかが見えてきた気がする。
インタビュー内における、彼の言葉一つ一つから、そんな彼の哲学を感じ取ってもらえると嬉しい。
是非、楽しんで読んでもらいたい。


邑田航平(Optimanotes編集長)

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——それでは早速インタビューに入らせて頂きます。今作「M(OTHER)」なんですけれども、早速拝聴させて頂きまして、とても素晴らしかったです。5曲入りで全曲素晴らしい曲が詰まっているなと思ったんですけれども、表題曲の「M(OTHER)」についてまずはお伺いしたいです。今回ファミリーコンピュータの不朽の名作MOTHERのオマージュという事で、ゲームのサンプリング音なども楽曲内に使用されているという事なんですが。

ササノマリイ:サンプリングではなくて弾き直しです。元あるメロディを弾いてギターのリフにしたり、メロディにちょいちょい入れたりするんですね。

——なるほど実際にゲームをサンプリングするんではなくて、ゲームの中に出てくるメロディであったり効果音を別の楽器で表現したり、メロディにうまく混ぜ込んでいったりという部分で表現されているという事ですかね?

ササノマリイ:はい。

——こちらの「M(OTHER)」なんですが、ササノマリイさんはリアルタイムでMOTHERをプレイしていたという事なんでしょうか?

ササノマリイ:リアルタイムだと僕が生まれてないので、MOTHERが1989年でMOTHER 2が1993かそこら辺なんで。僕が産まれたのが1991年なんです。ゲームボーイアドバンスで1と2が一緒に出たものがあって、そこで初めて僕がMOTHERを知って、これはやばいなと学生ながらに思って。僕が子供の時には友達の家にしかファミコンがなくて、家にファミリーコンピュータがなかったんでMOTHERとか出会う事もなくて。ゲームを買ってもらうっていう事が子供の時にはほとんどなかったんで、家にあるスーパーファミコンのゲームを回し回しやってたっていうぐらいだったんで、ゲームボーイアドバンスでMOTHERの存在を知ってからどっぷり何回もやって、ファミコン版とスーパーファミコン版を調べてっていう感じですね。

——RPGとしてはMOTHERはすごく名作だと思うんですけれども、2大ファイナルファンタジーとドラゴンクエストってあったと思うんですけど、そこは特に通らなかったんですかね?

ササノマリイ:そもそもの話、元々僕ゲームがすごい下手で苦手だったんです。特にRPGって言うものが苦手で、そっちの系統?ドラクエ・ファイナルファンタジーが、全く自分が心惹かれなかった部分があって、強くして敵倒してっていうところと、地図覚えて自分強くしてみたいなっていうのがすごく大変そうだなって思っちゃってて。やってるゲームと言ったらそれまではレースゲームしかやってなかったくらい。そこで初めて知って、RPGっていう気持ちで始めなかったんですよね。物語を見る感じかな?っていうのをなんとなくパッケージから見て思って、ゲームをシステムとか考えて進めていくというよりも糸井重里さんの表している言葉とかキャラクターの個性とかの方が楽しいなと思って、気付いたら最後まで行っていた感じですかね。だから今もまだRPGっていうのがMOTHER以外できてないです(笑)

——そもそもあんまり得意ではないジャンルという事ですね。

ササノマリイ:ファイナルファンタジーも1回試したんですけど、これはゲームが得意な人がやるゲームかなと思って(笑)

——そんな「M(OTHER)」なんですけれども、今回このタイミングでMOTHERをオマージュにした楽曲を制作しようと思った経緯があれば教えて頂きたいんですけれども。

ササノマリイ:元々ふと思い返してはプレイしてっていうのをずっとやってきたんですけど、ゲームボーイアドバンスも触れなくなって、ゲーム自体をそこまでしなくなったところで、バーチャルコンソールでNEW3DSの配信っていうのが、MOTHER 2が決まったのが最近で。その時に、こんなに時間経ってんのに出るんだなあって、やっと出てくれたっていう気持ちもあったし、そんだけ好きな人がいるんだな・良かったなって思って、そこでMOTHERっていう作品自体も、MOTHERはMOTHERで曲のオマージュとかが結構あったりしてMOTHER 2では曲自体が、公式で言ってるかどうか分からないですけど、サンプリングとオマージュがかなりあったりして、そういう音遊びっていう部分でもすごく面白いゲームだと思ったんで。じゃあMOTHERを作った人達がやってた事を僕もMOTHERに対して敬意を表す形で出来たらなって思って、そこまで大々的にじゃ無いですけどオマージュとしてMOTHERに使われてきた音楽たちの一部を使って、自分も表現してみたいなって思ったのがきっかけでした。

——制作する際に歌詞の世界観なども、ゲームとしてのMOTHERをとても意識して作った感じなんでしょうかね?

ササノマリイ:一番目の「M(OTHER)」に関しては意識をしたんですけれども、そこだけにハマらないようにMOTHERの曲だよっていう感じにはならないように聴いた人それぞれの取り方になるように歌詞は考えたつもりですね。MOTHERのゲームやってる人はMOTHERとしてもハマる部分があると自分では思っているし、そうじゃない人でも受け取ってもらえるような感じにしたつもりです。

——音遊びとしてのゲームのMOTHERをオマージュする部分と、あとはもっと広く本当にどんな方にでも届くような形でも広い世界観ではないですけれども、そういった部分でちゃんと中には要素として入れてつつ意識して作っていったという感じですかね?

ササノマリイ:そうですね、伝わるといいな!ぐらいで(笑)

——聴かせて頂いて、どこか懐かしいようなメロディなんですけれども、ササノマリイさん節が炸裂したサウンドメイキングだと思いました。サウンドメイキングで今「M(OTHER)」の音遊びというところは伺ったんですが、楽曲全体を通したところで一番意識したところっていうのは制作においてどんなところでしょうか?

ササノマリイ:なんにしても自分が一番力を注ぎたがる部分が音作りだったりするので、まず全体を見た感じの音の雰囲気っていうのが、ノスタルジーとまではいかないかもしれないけど、何かしら懐かしさを感じてほしいなっていう部分はいつも持ってたりするので、そのエッセンスをどうにか入れようかなって思って色々試行錯誤した部分と、割と今回は自分の中でもアレンジとしてやりたい事をかなりの割合でやれたかなっていう部分はあるので、こだわりましたとなってしまう感じもあるんですけど、懐かしさは意識しました。かつ古臭くならないようにも意識しました。

——ありがとうございます。では、カップリングの方で「Re:verb」ですね。こちら、ぼくのりりっくのぼうよみさんへの「CITI」のトラックを使用した楽曲だと思うんですけれども、こちらの楽曲は元々ササノマリイさん自身で歌う事を想定して製作されたトラックだったんでしょうか?

ササノマリイ:当初は全くしていなかったんですけど、ぼくのりりっくのぼうよみさんに声をかけて頂いたという事もあって、僕なりのあの人に合う曲で、かつあの人がまだやってないようなトラックにしてあげたいなと思ったのが最初きっかけで。作ってるところで遊びで自分でも入れたんですよね、その先にトラックを作るにあたって自分が適当に歌で入れて遊んだ時があって、それで自分の中でもいい感じにハマってきたなっていうのがあって、出せないかな?って思って自分のものとして。かつ全く別物っていうよりも個人的にせっかく「CITI」として使ってもらったからアンサーではないけれども、ぼくのりりっくのぼうよみさんが出した曲「CITI」に沿ったものとして別の世界の表現が出来たらなって思って、自分なりの言葉で入れていったのが僕のバージョンの「Re:verb」っていう。曲名も「CITI」を受けて僕も出すよっていう反響っていうので「Re:verb」っていう感じで名前をつけたっていうところもあるのでそんな感じですね。

——そうすると相反するではないというところで沿ったという表現をされてましたけども、パラレルワールドじゃないですけれども「CITI」の別世界、兄弟作品みたいな感覚…横軸で鳴っている感じのイメージで?

ササノマリイ:恐れ多いけどっていう感じですね。自分なりにそれの反射の「Re:verb」。

——ありがとうございます。今回「戯言スピーカー」がリメイクで収録されておりますが、過去の作品でも英語バージョンであったり、何度か歌っているかと思うんですけれども、やはりササノマリイさんの中で「戯言スピーカー」という楽曲はすごく大事なターニングポイントになるような楽曲なのかな?と思いながら聴かせて頂いたんですけれども、この楽曲に対しての想いみたいなものは?

ササノマリイ:こんな事になるとはぐらいの気持ちの、自分の中で大きいですけど、一番最初ボーカロイドで作った時っていうもの自体を、ものすごく気まぐれっていう部分がかなり強くて、その時にできる事っていうのをやった作品だった。元々僕自身3拍子が好きなんですけど3拍子だけど3拍子じゃない曲を作ってみようっていうきっかけで作ったのが「戯言スピーカー」だったんですね。4拍子の3連…シャッフル的な取り方もできるし、早い8分6拍子の曲とも取れるみたいな、そういうややこしい曲を作りたかったっていうのが純粋なきっかけではあったんですけど、それで作ってみた曲っていうのが自分でも驚くくらい反響もらって良かったなって思って。そこからものすごく自分の作る曲っていうのが広がっていったし、歌詞に対しても自分の中での書き方とか、どうやって書いていったら人にもっと伝わるのかなっていうかもっと上手く、自分らしいって分からないけど、ちゃんと言葉で伝えられるのかなって。それまでは言葉っていうのは全然意識していなかった部分も多かったので。自分にとっても響きの良い言葉っていうのだけを並べたっていうのがそれまではかなり多かったんですけど、そこから歌詞としての意味を考え始めたきっかけでもあって、一番最初にものすごく自分の中でも人にとっても広がっていった作品かなって思ったんで、これは大事にしていこうって思って、ササノマリイ版にした時にもっと音に対しても広がりのある音にしてあげたいなって思ってリアレンジ版を作ってます。今回入ってるのが「戯言スピーカー」の対になる「シノニムとヒポクリト」っていう曲があるんですけど、その構成をあえて全部「戯言スピーカー」と同じに、両方入れ替えても乗るようにしたんです。「戯言スピーカー」のメロディが「シノニムとヒポクリト」に乗るように今回それを合わせたのがこれになるっていう、両方一緒に流すとハモリじゃないですけど対旋律になるように出来たらなっていうのも含めて色々やってました。

——すごい面白い試みですねそれは。

ササノマリイ:自分が作る中で言わないと伝わらないこだわりが好きなんですよ(笑) 凄いって絶対分かんないんだけど、例えばギターを一本の音でしかやってないけどそれをものすごく頑張って切り刻んでメロディを作るとか、弾いてるようにしか聴こえないようにする努力とか、弾けばいいのにっていうものは結構好きなんです(笑) そういうものが詰まってますね、今回結構。

——それは今作の5曲全曲に対して言えるという感じですかね。

ササノマリイ:そうですね、伝わなくても楽しんでもらえたらいいなっていうのはまず一部ですね。

——その裏にある作家というかミュージシャンとしてのこだわりとしてそういうところがあるという事ですね。それは収録されている3曲目の「COFFEE」だったり4曲目の「I MISS YOU」という曲も、音の面に対してはそういうところを意識されて作られているんですか?

ササノマリイ:「I MISS YOU」は本当にそんな感じでかなりやっていたんですけど、3曲目の「COFFEE」っていうのが、他の曲達のレコーディングをやってる待ち時間でコーヒーがあったんですね、テーブルの上に。「あー」って思って、そこでちょって作ってしまって、その場で録ってしまったのが「COFFEE」なんです。その場で元々もう1曲入れたいな、でもインストにしようかなって思ってるところで打ち込んでて、「あ!歌おう」って思ってサッて書いたのが書けてしまって。柄に無いかもしれないような歌詞を書いてしまったなっていう、割と可愛めの曲です。その場で作っちゃました。

——レコーディングの最中にふとコーヒーがその場に置いてあって、それがきっかけでさらっと書けてしまって曲も出来てしまって、じゃあこの曲レコーディングしようかみたいな形で録ったという感じですかね?

ササノマリイ:「MOTHER」にもターニングの場所でコーヒーブレイクのシーンがあったりするんで「COFFEE」だなと思って。じゃあ「COFFEE」で良いかって感じですね。

——どこかしら、やっぱり収録されている曲は何か繋っている感じはあるんですね。

ササノマリイ:今回初めて収録するっていうものは、「Re:verb」と「戯言スピーカー」以外は全部「MOTHER」に関連するタイトルだったりするんで、「I MISS YOU」も、ネタバレなんのかな今更、「MOTHER」のエンディングが流れた時に糸井重里さんが「I MISS YOU」って途中ロール流れてる時にボイスが入るんですよ。あぁ「I MISS YOU」だと思って、そこからですね(笑)

——楽曲制作の全体に関してという事で質問させて頂きたいんですけれども、楽曲は先程から名前が出ているぼくのりりっくのぼうよみさんなどにも提供されて活躍しておりますが、楽曲を制作する際に常に一番大切にしている事は、先ほど仰っていた懐かしいさみたいなもの以外に何かありますか?

ササノマリイ:音として聴いて気持ちいい音っていうのが一番自分の中で大事にしていて、出来る限り聴いた時に自分の中で聴いて、テンション上がるとかじゃなくて耳が楽しくなる音ってどんなんだろうっていう。そうして出してしまうと自分はシガーロスが好きなんですけど、シガーロスの「Hoppipolla」を初めて聴いた時に、言い方悪いけどゴチャっとしてるはずなのに全部出てるっていう、みんないるんですよ、鳴ってる生き物が。あの感じがすっごい好きで聴いた時に救われるというか、所謂耳が幸せっていうか、あの感じを自分でもできないかな?っていうところはずっと意識をしてて、いつも自分で作ってるから電子音っていうところは目に上がってしまうんですけど、それでどう表せるって自分なりの形でできるかなっていうのはずっと意識をしてます。

——すごく腑に落ちたんですけれども、例として自分の好みのギターロックバンドみたいなものが新曲を出した時に、最初にタンっと入ってきて、かっこいい!みたいな反応するんですけど、今回聴かせて頂いてその反応ではないんですよねやっぱり。気持ち良いんですよ、第一音が鳴り始めた時にめっちゃ気持ちいいもん来たなっていうのを。昔の作品もそうなんですけれども今作品でも思いまして、お名前出してましたシガーロスとかも本当そうだなと思っていて、当時は世界的に大ヒット出した時もこのまま寝れるんじゃないか、それは良い意味で、思わず自然と体に入ってきて体が気持ち良い感覚に陥る音楽だなという事はすごい思っていたので今の話はすごい納得しました。

ササノマリイ:ありがとうございます。

——では、どういった時に楽曲や歌詞が思い浮かぶ事が1番多いでしょうか?

ササノマリイ:曲を作るきっかけというのがほとんどが即興で。即興で作ったものを削って整えて形にしていくっていうやり方がかなりメインにはなってきてるんですけど、浮かぶっていうのが大体景色を見た時に受ける自分の気持ちとか絵画を見た時だったりっていうのが多いですね。MOTHERのゲームプレイした時もそう、エンディングを見終わった後に残る気持ちとかっていうものが原動力になる事は多いですね。景色を見た後に思い返した時の気持ちとか、何かを得て自分に残ったものを音に変えるならどうする?っていうのが多かったりします。音とか言葉にするには。

——そうすると例えば楽器を持って、さぁ作るぞみたいな事はあまりないというか、それよりも先にインスピレーションの原動力みたいなものがあって、それを元にして作っていくっていうイメージですかね?

ササノマリイ:そうですね。だから最初はごっちゃになるというか、一遍で見たものサッてずっと打ち込みやってきたもので、打ち込みで形にしちゃうんですけど、そこのワンループになってしまって。ワンループがいっぱい貯まるんですね、ひとつのものに対して。それをどうしていこうかっていうところから始まるのが多いですね。それを自分で聴いて集めて整えて弾き直してっていうのを繰り返して自分の中での気持ちのパズルというか、そこから形になっていくのが多いかなって。

——今の話を聴いているとパーツでインスピレーション受けたものから音像化していくじゃないですけども、という事がすごく得意そうな印象受けまして、映画の劇伴とかすごい向いてそうな気がしたんですけども、興味とかってあったりするんですか?

ササノマリイ:ものすごいあります。元々歌う前はインストのものをずっと作ってきたんで、そういうところに興味元々すごくあって、ササノマリイとしていつか劇伴が作れるようになったらすごい事だなって思うんですけど、ありますかね?(笑)

——是非やってもらいたいなって思います。こういう映画に合うんだろうなってイメージ沸くので、是非やってもらいたいなと思います。すごい個人的な要望ですが。(笑)

ササノマリイ:頑張ります!

——次に楽曲を提供する時に実際に歌うアーティストの方の事を意識して制作は行っておりますか?

ササノマリイ:がっつりしてますね、その方がやりやすいという。これはすごく難しいんですけど、自分のための曲を作る時ってイコール自分になるからすごく難しいんですよ。言葉もオケも自分の印象になるから客観的に自分を見なきゃいけない部分があるっていうのはすごく大変で、ちょっと邪念が刺すと、この言葉は自分には合わないとか、この音は自分じゃないなって思っちゃう部分で消したりしちゃう時があるのが、それは戦わなきゃいけないなっていう。色んな音が自分は好きだけど、この音は今の自分に似合わないからやめておこうっていうのがあるのは止めようって思いつつも、ふってよぎる時があるのが大変だなと思うんですけど。人の歌は聴くのがやっぱり好きなので、この人の声だったらこういう風に音を絡めてあげるのが一番この人の声が輝くなとか、この人がこう歌う人だったらこういう流れにしてあげたらこの人はこの音域たぶん歌いやすいからここら辺にしてあげた方が気持ちよく歌うだろうなっていうのはかなり意識は今まで提供する時はしてました。だからその人にとって今まで全然キーが今までの曲より低かったとしても、ここのキーの方がたぶんこの人は自分が好きなように歌うなって、もっと良いとこになるなって思う時とかは下げたりします。

——次に制作環境についての質問なんですが、普段の制作活動でこれだけは外せないという機材があれば教えて頂きたいんですけども。

ササノマリイ:まずDAWとしてAbleton Liveは外せないかな。一番自分が長く使ってきた機材っていうのもあって、他の機材に移った時に無意識に作業ができないっていう。機材とかソフトの使い方として覚えなきゃいけないとか、感覚的に今まで出来た部分ができなくなるっていうのは避けたいなって思ってる部分が増幅して、その機材以外使えないっていうのはありますね。あと鍵盤。弾きながら撮るので打ち込みよりかは弾きたい。弾いて録った方が早いっていう感じですね。

——MIDIキーボードという感じですか?

ササノマリイ:そうですね。

——ちなみにお使いのMIDIキーボードは何をお使いでしょうか?

ササノマリイ:今2つあるんですけどヤマハのMX49がトランスポーズの位置とかオクターブのキーの降り方とか、鍵盤の軽さがすごく丁度良い、あと鍵盤自体が軽いっていうのと。あともう一つがNordのElectro 5Dなんですけど、ピアノがメインのやつを作るならあれだなっていう、重さがやっぱりそれも丁度良いっていう感じですね。

——次に音楽的な影響に関して、音楽をそもそも始めるきっかけについて教えて頂いてよろしいでしょうか。

ササノマリイ:どこなんだろって感じなんですけど色々あって、赤ちゃんの時にパットが4つ付いたテープレコーダー付きの赤ちゃん用のおもちゃっていうのを買い与えられて、テープスピードが可変できるんですよ。録音も出来るから、友達とかがゲーム持ってたんですけど小学校に上がってからもずっと遊んでて。僕はゲームやるよりも音が好きだったから、ポケモン持ってきてって言って音録らせてもらってそれを聴いて楽しむっていう。テープスピードを下げると音が低くなって音が高いとこもちょっと籠ってこの音すごく好きだなって言うのがたぶん最初。ゲームボーイのポケットカメラっていうゲームがあったんですけど、カメラがカセットの上に付いてて目玉みたいやつが。そのゲームの中にミニゲームで16ステップのシーケンサーでメロディを作れるやつがあったんですよ、DJモードっていう。それで遊び始めたのが曲を作るっていうとこのきっかけだとは思います。

——次に今現在影響受けたリとか単純に好きで聴いているアーティストさんがいればいくつかお伺いしてもよろしいですか?

ササノマリイ:bermei.inazawaさん、対象は歌ってとか作ってる方ですね。「ひぐらしのなく頃に」のエンディングのジャズっぽい曲ですね、あれを作ってるのがbermei.inazawaさんっていう方なんですけど、その方が同人音楽で結構やってる方で、音作りとか空間物の楽器のやり方とかっていうのがすごく好きで、かなり影響受けてると思います。新居昭乃さんがずっと好きで「覚醒都市」っていう東京アンダーグラウンドの曲を知って、ずっと曲だけ聴いて、そこからコードの響きの動き方とか部分的な転調の音とかっていうのがすごい気持ち良くって、こういう感じ自分にも出来たらなっていうのはずっと思ったりとか、浮遊感っていうのはずっと影響受けてます。影響っていうとそのお二方が一番大きいですね。

——一旦音楽から少し離れさせて頂きまして、今一番ササノマリイさんの中で旬な物や事は何かありますか?

ササノマリイ:食べ物だとずーっとラーメンが好きなんですけど、ラーメンはいいや(笑) 今が旬だと、最近ずっと見てなかった前のアニメとかを見返すっていうインプットじゃないですけど、作品だったり漫画だったりってのを今まで全然買ってこなかったんですけど、それを最近よく買うようになってきましたね。

——結構そこら辺からのインスピレーションもあったり?

ササノマリイ:割とあったりしますね。

——この質問は初めてインタビューさせて頂く方皆さんに聞いているんですけれども、アーティストササノマリイを構成する要素は色々あると思うんですが、その中で一番重要だと思う3つの要素を教えて頂きたいです。そのうちの1つでも欠けたらササノマリイではなくなってしまうというような、アーティストとして。

ササノマリイ: 1つは音の色。音の再構築と思い出ですかね?ここで後悔とか言っちゃうとすごく引きずってる人みたいになっちゃいますもんね。思い出にしておきます。

——後悔は後悔で結構重要なものだったりします。

ササノマリイ:後悔にしときます、デカイんで。

——そこの後悔があるから歌ってるとか、曲を作ってるとか結構多いですよね。

ササノマリイ:そうですね、色々ありましたね。

——では、音の色・音の再構築・後悔。ありがとうございます。今後の展望野望について、近い将来の目標と遠い未来の目標を教えてください。

ササノマリイ:近い未来は自分の作品を聴いてくれる人を増やす。ありきたりかな?届けられる人を増やすですね。大きい将来だと、どんだけ言って良いんだろ?ワールドツアー(笑)

——ワールドツアー良いですね(笑)

ササノマリイ:野望というか、目標としては自分自身があるアーティストから影響受けて、それを自分なりに引き継いで伝えたいって思いがあったんで、自分が引き継ぎたいというか、この人の素晴らしさを自分でもやってみたいって思ってもらえるような作品を残していきたい。自分が引き継ぎたいと思ってもらえるような作り側になりたいですね。

——今仰って頂いた事に繋る事だと思うんですけれども、今現在のササノマリイさんに影響を受けている方っていうのは結構いると思っております。具体的に先日対談をうちのサイトでした、ふうらいぼさんだったり中島さんもこの間話に出てきたぐらい自然と名前が。結構影響受けていて一時代を築いたヒーローの1人っていう認識が大きいみたいなんですね。

ササノマリイ:もっと言ってほしい(笑)

——やっぱり憧れられているっていうのを色んな方からお話を聴いていて私は感じておりまして、そういったササノマリイさんに憧れて例えばDAWを始めましたとか、ボカロ始めましたとか、自分で歌う事始めましたっていう、音楽始めている方ですね。音楽を志す方への向けて何かメッセージを頂いてもよろしいでしょうか?

ササノマリイ:僕自身も最初は何かの模倣って謂われがかなり大きかったんですけど、始めたばかりの人は模倣を怖がらない事。最初から自分の本当のオリジナルだけをやろうって思ってても、それができるのはかなり大変な事だと思うから、素晴らしいと思ったものを素晴らしいと思ったまま作る事かなって。自分が作るっていう事を楽しんでほしいです。それが多分一番大事だと思うんで。楽しんで作ってたら気付いたら勝手に自分が臨んでた以上のものはきっとできるんで楽しんでくださいっていう。

——最後なんですけれども、今回のインタビュー記事を読んでくださる読者の方に対して今作「M(OTHER)」のメッセージを頂いてもよろしいでしょうか?

ササノマリイ:今回オマージュであったり、リスペクト作品っていう体ではあるんですけど、それでも自分らしさっていうのを出来る限り入れたつもりではあるので、もちろん「MOTHER」を知ってる人は、あぁここはアレかな?って思ってもらえたらそれは嬉しいし、ササノマリイらしさ・自分が作ってるものっていう、らしさが伝わったら嬉しいなと思います。自分の中ではものすごくまた気に入ってる作品になったなと思っているので、聴いている人にも楽しんで頂けたら嬉しいなと思います。

——本日はありがとうございました。

ササノマリイ:ありがとうございました。

ササノマリイ(Sasanomaly) / M(OTHER)

Kohei Murata

Kohei Murata編集長・ライター

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バンド活動を通して、自分の音楽を世界に発信する事を志しながら、同時に仕事での独立を目指して様々な業種を経験する。バンドでは日本のみならず台湾でも活動を行い、台湾でのアルバム2枚のリリースや大型野外フェスティバルへの出演も果たす。
その後、様々な仕事を経験し2015年独立。
現在は音楽メディアOptimanotesの編集長兼ライターとして、記事の執筆をしている。

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