MOTHERジャケ写

[先行Review] ササノマリイ – M(OTHER)

MOTHERジャケ写

楽曲を聞いていると、『不気味の谷現象』が時折起こる。人間らしい弱さと切ないメロディ。時代というスパイスが効いて問いかけらるような辛辣な詩の世界と真っ直ぐな歌声は奇妙さと違和感を連れてきて、私の耳は、音だけを聞いていたり、コトバだけを読み取っていたりする。
そんな不思議な感覚がクセになる作品。

1.M(OTHER)
不朽の名作MOTHERの音楽をオマージュしたフレーズが挿入された楽曲。
現実世界からゲームの世界を覗くような、
楽曲の中の音の素材ではなく、詩の中の幾度とでてくる音の表現が頭の中で、音を立てて楽曲を進行させていて、同じものを聴いていても、聴く人によって、それぞれ音が変化するのだろうと想像力を掻き立てられ興味深かった。詩の世界と、音との関係の間を繰り返しやってくる間奏、遠くでずっと存在するメロディに安堵できる。
そして、私の想像の中でだが、
目の前にある世界の器は、ちょっとやそっとのことじゃびくともしないのに、その器に注ぎ入れることがまるで、弱さをさらけ出すみたいで辛い?そんな静かな存在感に繊細さを感じる楽曲。

2.Re:verb
天才、”ぼくのりりっくのぼうよみ”に提供したトラックを自ら新たな歌詞とメロディーを制作し再構築した楽曲「Re:verb」
世界に振り回される自分を自己完結したいかのように左右の音の定位が変わって、
中央に戻ってきたときのドキっとする感じと、跳ねた固いビートが詩の重量感を際立たせている。

3.COFFEE
減ってゆく毎日、、、限られている時間、限られた空間のなかでの幸せを感じられる楽曲。オルゴールを開いて閉じるまでのような時間の流れを感じた。

4.I MISS YOU
まるで、身体に温度を溜めてるような、細やかで繊細な感覚を音から感じとられて、個人的にイチオシ。間や、乾いたビートから、後半湿ったビートに変わる表現の仕方も終わり方も理想系。音の組み立て方に遊び心を感じた。

5. 戯言スピーカー (in synonym)
ササノマリイ代表曲のリアレンジ ver 「戯言スピーカー (in synonym)」
楽曲をかたどるピアノの音のふくよかさが、人間身を感じさせる。ストレートでシンプルな目線、音のコントラストが良く、溶け込むようなメロディラインにいつしか、惹き込まれている。

敏感な時代に生まれ、時代を創るササノマリイの今後を楽しんでいける作品だと思う。
ここで、共有すべき点は、この時代の音楽に出会ったという、クロニクル的な時間の共有のような気がしている。

ササノマリイ(Sasanomaly) / M(OTHER)

34423

34423電子音楽家

投稿者の過去記事

容姿と相対する硬派なサウンドと鮮烈なヴィジュアルイメージで注目を集め、2013年初の世界デビュー盤"Tough and Tender"(邂逅)をリリースし話題をさらった。その後も都内の大型フェスなど勢力的に活動を重ね、今年2月待望の2ndアルバム”Masquerade”(邂逅)をリリース。また、鈴木光司原作 福田陽平監督のホラー映画「アイズ」、田中佑和監督長編映画「青春群青色の夏」などをはじめ様々な映画の劇伴をつとめている。
ライターとしては、感覚的な独自の観点から“好きなもの”を柔らかく芯のある言葉で伝えている。
探究心と、直感による閃きを大事にワクワクを書き留めている。

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