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杉山裕紀 – 悩ましき日々 Vol.2

お久しぶりです、杉山です。
大盛り上がりだったハロウィーンも終わり、世間はクリスマスへの準備に取り掛かり始めましたが、皆さんはどうでしょうか。僕はというと、ありがたいことにこの一か月の間、新しいお仕事の話がちらほらと入ってきておりまして(イェーイ)、現在はそのお仕事に向けてせっせと頑張りつつ、この記事を書いています。
気温もグングンと下がってきています。このコラムを読むことがあれば、温かい室内で温かいお茶でも飲みながら読んでください。

【小兵】
相撲の世界に【小兵力士】という言葉がある。
以前、何をするでもなく部屋でテレビを見ていた時に耳に飛び込んできた言葉である。彼らの土俵での戦い方は、僕の頭の中にあった力士のそれとは全く異なっていて、ヒラリヒラリと舞うようにして攻撃を躱したかと思えば、一転して予想外の強烈なビンタで隙を作り相手を場外へと押し出したりと、見ていて感嘆の句を漏らすような戦い方だった。
土俵上で尽きる事なく技を繰り出し、見る者の予想を二転三転と覆してくる小兵力士の取り組みは、飽きる事なく興奮を誘う。
がっぷりと組み合い、肉体と肉体がぶつかり合うのが相撲の醍醐味なのだとしたら小兵力士の戦いは、それとは少しだけ離れているのかもしれない。けれど、小柄な体を補うために技を身につけ、自分より大柄な相手にも臆することなく華麗に戦う彼らの姿はまさに闘士だ。
一瞬でも気を抜けないからこそ、一瞬の隙を突いて勝利に全霊をかける。
カッコイイじゃないか。
今ここにしか僕たちの命はないのだ。

【アンテナ】
「明日の天気は晴れです。」
雨が上がった後の瑞々しい空気の中、学校帰りであろう男の子がひっくり返した傘をアンテナに見立てて、周りの友達に得意気に教えてあげていた。パラボラアンテナを携えて小学生から気象予報士へと変身した男の子は、きっと毎日そのアンテナをあらゆる方向に巡らせて、新しい発見をする度に目を輝かせて友達に教えているのだろう。
コラムを書くようになってから、以前よりも出来るだけ色んな物に興味を持つようにしている。【物を書く】というありがたい仕事を頂いているのだから、なるべく面白いものを書きたいと思うし何より僕は役者の端くれでもあるので、何かに全力で興味を持ったりする事、新しい発見を楽しむ感受性を大事にしていくべきだと思うのだ。
目指すべきはあの小さな気象予報士。
踏み出した翌日の足元は雨でぬかるんでいたが、それもいいだろう。

負けないぜ、少年。

【悩み】
悩んだり行き詰ったりして何もかもやる気がなくなった時、リカバリー方法としてひたすら音楽を聴くという手段が僕にはある。特にこのアーティストでなくてはいけないとか、そういうこだわりの様なものはないのだけどとにかく、音楽を聴く。何かを頭に入れていっぱいにすることで、悩みや考えを排除しているのかもしれない。それは一種の逃避なのかもしれないけれど、事実そうすることで大体の事は何とかなってきた。
昔この事を知り合いに話した時「音楽はそういうものの為に存在している訳じゃない」と言われた事がある。言いたいことは解ったけれど、じゃあ僕にとっての音楽の価値はどこに行くんだろう。今さら価値観の違いだとか何だとか言うつもりはないけど、それぞれが自分に合った音楽の価値を持っているのも事実だ。
それは音楽だけに限らず、全てに当てはまることだ。
音楽も芝居も聴くだけ、見るだけの人間からすれば娯楽でしかないと思う。
好きなように楽しめばいい。
音楽をしている人でもお芝居をしている人でも何でもいいけど、とにかく、発信する側の立場の人間が自分たちの作品で誰かの心を動かせたのなら最高じゃないか。
だったら出来るだけ楽しもうぜ。悩みなんて、八艘飛びで軽く飛び越えていこう。
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杉山 裕紀

杉山 裕紀舞台俳優

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フリーの役者をしながら何とか毎日を消費している人。
普段は舞台を中心に活動しているが、声がかかれば映像の仕事にも参加。

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