写真 Nov 17, 11 11 52

ハイロック的音楽のすすめ Vol.14 – 中の人に聞いた最後のソニービルを100倍楽しむ方法

昨年11月に、「It’s a Sony展」についての記事を書いたわけなんだけれども、
今回は、その続編ということで、展示アイテムではなく、解体されてしまう「ソニービル」自体にフォーカスを当て、最後の勇姿をどのようにして見たら最大の楽しみ方ができるのか? 直接、中の人である、そしてこのソニーパークプロジェクトの指揮をとる永野さんにお話を伺ったので、ハイロック的ポイントと合わせてそのポイントをご紹介しよう。

まず大前提として今年3/31をもって閉館してしまうので、それまでに見に行かなくてはいけない。

外観の写真を撮る
写真 Nov 17, 11 11 52

まずは交差点の向かい側から外観の写真を撮る。そのときになるべく車や行き交う人々も入れ込んでおくと後々にその時代を反映した情報量のある写真となる。ちょうど写真の「Goodbye Sony Building…」の垂れ幕がかかっている晴海通りに面したエレベーターコアの外壁「アートウォール」には当時2,300個のブラウン管が配置されていた場所なのでそんな風景を想像しながら見るとまた違った感動が生まれるだろう。

撮影後、入り口に向かいつつ、その玄関口となっている「ソニースクエア」をチェック。この10坪ほどのオープンスペースでは、人々が待ち合わせの場所として利用したり、毎年恒例の夏の水族館イベント「Sony Aquarium」や、四季折々の植物や季節の風物詩の展示などの季節を感じる装飾展示が行われていた。創業者の盛田さんは、このスペースを「銀座の庭」と呼び、さらにそのコンセプトが現代流に解釈されて「庭」から「公園」へと発展し、受け継がれ、このプロジェクトの原点となったことは言うまでもない。

エントランスのタイトルボードの前
写真 Nov 17, 11 01 43

中に入るとエントランスには、大きなSONYの文字のスツールがお出迎え。記念撮影の絶好のポイントだ。

さて、ここからが永野さんからお聞きしたポイント。

1. 花びら構造を感じながら上の階に進んでいく。
ソニービル最大の特徴は、建築家、芦原義信さんが設計した「花びら構造」というビルの構造だ。
ひとつのフロアを田の字型に4つに区切り90cmずつ階段を設けて1階から7階までを花びらのように折り重なって続いているひとつの空間として楽しむことができる。現在開催中の「It’s a Sony展」以前は、各フロアごとに別々のテナントが入っていてこの「花びら構造」を活かしきれてなかったそうで、最後にもう一度50年前の芦原さんが考えた花びら構造をフルに活かした空間展示を行っている。

2.ビルの中心にある大理石の柱は50年前のもの
写真 2017-01-13 17 50 24

1階から7階までを「花びら構造」を感じながら登っていくとその中心に大理石の柱があるのがわかる。実はその柱は、50年前の建築当時のもの。現在では新しい壁材で隠されてしまっていたが、最後の展示のために剥き出されることになった。神社に行ってご神木を触って気をいただくように、この柱に触ってソニービル最後の「気」をもらうといいだろう。

3.建築当時の素材箇所を探す。
写真 2017-01-13 17 50 01
写真 2017-01-13 17 50 08
写真 2017-01-13 17 51 59

大理石の柱同様にビル内観を見て回るといたるところに当時の壁や床が剥き出されている。注意深く見ていかないと見えてこないものだが、意識してみれば、必ず見えてくる。新しい素材と相まってそのチグハグ感が実におもしろい。何箇所見つけることができるだろうか?

4.窓から見えるルーバー
写真 2017-01-13 17 48 31

4階のソニー通り側の窓から見えるルーバー。このルーバーの役割は、中の灯りを外に綺麗に漏れ出すようにと作られたもの。

写真 2017-01-13 17 47 42

このルーバーを輪切りにしたものが展示されている。断面がエッフェル塔のカタチをしているのもユニークな点だ。なおこちらはビルの解体後にチャリティー販売されるそう。

5.ハニカム構造の天井
写真 2017-01-13 17 44 07

こちらも現在に残された建築当時のままの天井(7階)。「ハニカム(=六角形)」構造が今見ても新鮮でかっこいい。

6.ビルの中から数寄屋橋交差点を見る。

これは、僕も完全に勘違いしていた点なのだけれど、ビル解体と言っても、ビルすべてが取り壊されるわけではないそうだ。花びら構造をリスペクトする減築ということで、2階部分(現在はポパイの企画展のスペース)までは残されるそう。そこから上が減築されて、その場所がちょうど公園の丘の上にあたり、数寄屋橋交差点方面を眺めることができる絶好のポイントになる。故に、現在の同じ場所の窓から覗く数寄屋橋交差点の景色を記憶に焼き付けておくといい。その景色が公園になってどんな見え方をするかとても楽しみだ。

以上が、中の人に聞いた、最後のソニービルを100倍楽しむ方法だ。
ソニーパークプロジェクトの指揮をとる永野さんにお話を伺っていると、このプロジェクトが単に古いものを壊して、新しいものを作るという単純なものでないことがわかった。創業者である盛田さんが「銀座の庭」そしてこのビルに込めた願いをしっかりと継承し、ビルの設計者である芦原さんへのリスペクトも込められた愛のあるとても素晴らしいプロジェクトであった。3/31まで開催されている「It’s a Sony展」を楽しむとともに、もっと大きな視点でソニービル最後の勇姿を観察して欲しい。そこにはきっと過去、そして未来のソニースピリッツが見つかるはずだから。

ハイロック

ハイロックメディアクリエイター

投稿者の過去記事

Fresh News Delivery 管理人
アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。人気サイトFresh News Delivery、ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。2014年、渋谷にLIL’RIRE CAFEをオープン。カフェでの新しいメディア表現を企画。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

特集記事

MIYAVI

コラム記事






Staff Recommend

PAGE TOP