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[Live Report] 浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS – 2017年2月23日 METEO TOUR 2017 Final

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浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS、「METEO」ツアー最終日のLIQUIDROOMは、会場オープンと同時に異様な熱気に包まれていた。フロアに入る前の観客達はすでに熱を帯びていて、開場を今か今かと待っていた。
18時半になり開場時間が来ると、次々と観客達がフロアに吸い込まれてゆく。これから始まるであろう最高のロックショーを観る為に。
それからステージが暗転するまでの1時間は一瞬だったように思う。何故だろう。僕はすでに熱気に包まれたフロアを眺めながら、これからステージに浅井健一が現れるのだよな。と、どこか現実味のない気持ちでいた。

京都磔磔でMETEOツアーを先に見ていたので、ステージ向かって右寄りのベンジー前に陣取り待機。
ベンジーのライブはリアルブランキー世代かなと見受けられる世代の人も結構多いが、本当に様々な世代の観客がいる。

そうこうしているうちに会場が暗転。会場は悲鳴にも似た歓声と拍手で包まれる。浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのファンは男性の方が多いように感じた。その分、野太い叫び声が目立った。
そして、ステージには中尾憲太郎・小林瞳・浅井健一が登場。

ベンジーである!どこをどう切り取っても、どこからどう見てもベンジーである!!ステージに現れた瞬間、会場の空気が一変。カリスマというものの力を肌で感じた瞬間だと思う。
ギターを持ち、浅井健一のギターストロークから1曲目が始まると同時にLIQUIDROOMはベンジー色に染まった。これだ!僕が観たかった光景、僕が感じたかった空気!
そして、実は誰よりも興奮して熱を発していたのは自分じゃないかと思った。

1曲目「朝の4時」。最高だ。とりあえず、今これ以上の語彙力は僕にはない。最高なのだ。とにかく何もかもが。浅井健一の声、歌唱、歌詞、中尾憲太郎のコシはあるのにバキバキと攻めてくるベース、そして小林瞳のとにかくタイトで強靭なリズム、これを混ぜ込んだものが「最高」以外にあるだろうか?
「強い心を持たなくちゃ」という歌詞が胸に飛び込んで来る。

そして、今回は珍しくしょっぱなからダイバー!
会場によるのかもしれないけど、しょっぱなからダイバーが出るのは、ほぼ最近では見ないから一層跳ね上がる。

間髪開けずに2曲目「FIXER」。アルバムRod Snake Shock Service収録曲。小林瞳のドラムロールから一気にテンションが上がる。今日もベンジーのTennessee Roseは最高の音を出している。トレードマークとも言えるGretschのTennessee Roseだが、ベンジー以上に似合う人を見た事がない。
ソロの音で心臓を刺された気分になる。

3曲目「見た事もない鳥」。お次はアルバムPILから演奏。ベンジーの弾き語りから、ベースとドラムがインすると同時にイントロのギターのフレーズ。鳥肌。この曲カッコ良すぎる。今に始まった事ではないが、ベンジーはスリーピースのロックバンドの概念を完全に覆してくる。音の厚み、アレンジ、楽曲のバラエティ、なにもかもが他のスリーピースバンドとは違う。それも、中尾憲太郎と小林瞳という2人がいたからこそ成り立ったバランスだろう。それほど、この3人のバランスは良い!

4曲目、すでにYouTubeにもMVが公開されているシングル曲「Messenger Boy」。観客もシンガロングで応える。不必要なものは極限まで削ぎ落としたようなシンプルな演奏。これぞというフレーズがより印象的に鳴り響く。
今回の浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSの活動のスタートにもなる重要曲だ。

曲が終わると、「ハロー、東京ベイビーズ!」と一言観客達へ声を掛け、5曲目Messenger Boyのカップリング曲「American Blitz Kids」。中尾憲太郎のベースがとても印象的で、曲を走らせる。その上に乗るベンジーのギターの単音フレーズが曲の雰囲気を作り出している。

続けて「Cosmic Wonder Bowler」。小林瞳が途中で入れてくるコーラスとロカビリーぽいリズムがとても良い。気持ち良いリズム。サビでベンジーがギターを掻き鳴らし、リズムも一気に開ける。ギター、12フレより高い音でのソロが気持ち良く鳴り響く。

「今日はみんな来てくれてありがとう。ここら辺で懐かしい曲をやろう、アレだよアレ。」と言って演奏されたのはブランキーの「SWEET DAYS」!!泣く!こんなの泣く!!ヤバイ!会場のテンションもすでに最高潮。シンガロングと歓声がヤバイ事になっている!

8曲目「何あせってんの」。このソロ曲もバンド曲も含めた新旧混ぜたセットリスト最高かよっ!他の曲でも思ったが、小林瞳のコーラスワークが素晴らしい!音源ではベンジーがやっているパートだが、小林瞳のコーラスもまた一味違ってお見事だ。
ラストのギターソロ凄い!音が飛んで来る!凄まじいインパクト。ふっ飛ばされる。
ベンジーは新旧問わず、自分の音楽をやり続けてくれる。
「自分がやらなきゃ歌う人いなくなるでしょ」と前に何かで答えていた。
昔の曲を聴きたいファンも多いからそりゃ盛り上がるし、嬉しくて涙も出る。
今を生きてるベンジーが歌う過去の曲。最高!

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まるで曲が繋がってるようにリフが始まる。9曲目「フルサト」。バンドの一体感をこれでもかと魅せられるような演奏。やや静かな楽曲だけにベンジーのボーカルが映える映える!歌詞がよく聞き取れて飛び込んでくる。
You Said You Said・・・あたりの言葉の発し方が異常にセクシーだ。
その後のギターのメロディが、撫でるようにツヤツヤユラユラ走っていくので異次元に飛ばされる勢い。どこまでセクシーなんだろう、この人は。
とにかくギターをかき鳴らすシルエットが誰よりも美しいと思う。もはや髪の毛のうねり一本すら美しい。

次は中尾憲太郎のダブっぽいベースからスタート。そこへ小林瞳のエイトビートが入ると、ベンジーから「ベース、中尾憲太郎!ドラム、瞳」とメンバー紹介があり、上にギターを被せてくる。ディレイの効いたソロからダブのリズムに合わせ裏にコードを鳴らし曲が始まった。ブランキーから「とけちまいたいのさ」だ。
ループする中尾憲太郎のベースが中毒性を持っている。そして、サビでノリが前ノリに変わる。ずっと聴いていたくなるような楽曲だと思う。

次も中尾憲太郎のベースから始まった。「Fried Bird」しかし、中尾憲太郎のピックで弾くベースは本当に良い音をしている。小林瞳はやや控えめなエイトビート、その上にベンジーの歌。これ以上ないシンプルな構成なのに、何も足りないものがない。途中ギターフレーズを弾きながら歌うベンジーに痺れた。カッコ良い、、。

12曲目アルバムPILより「LOVE LIVE LOVE」。早い。もう12曲。。どストレートなロックンロール。なのに、このバンドがそれをやると圧倒的なオリジナリティが出る。この楽曲では中尾憲太郎もコーラスに参加。ストレートながら、途中哀愁を帯びたコード進行などあり、アレンジも小粋な技が途中に沢山盛り込まれていて良かった。

基本的にMCはやらないスタイルで、どんどん曲が進んでゆく。13曲目「マス釣り」。ベンジーにしか書けない、歌えないようなメロディと歌詞。こちらが欲しいと思ったタイミングで入ってくるギターソロ。これぞベンジー節だと思った!観客みんなが期待しているようなそんな楽曲。途中カットアウトで演奏が止まり、ベンジーのギターから全員戻ってきて、ギターソロで爆発して終わるという悶絶モノの展開。
この曲は、ベンジーのとある1日といった歌詞でとてもリアルだ。
「川で魚を釣るのは難しい 全然釣れないと すぐに飽きてしまうもの」
この歌詞をめちゃくちゃカッコよく歌うベンジーに見惚れる。ベンジーは、なんでもカッコよくする魔法使いなのだろうか。このギャップを生で味わう醍醐味が最高。

続けて「Mad Surfer」。こちらはアルバムSphinx Roseより。ツアーを回ってきてバンドが完成されている事もあると思うが、本当にバンドとしての演奏が素晴らしい。途中もう一度メンバー紹介を兼ねて、それぞれソロを披露。中尾憲太郎から「ギター、ベンジー」と紹介があり、ギターソロを披露した後サビに戻ってきた。良い。これが観たかったんだ。
さすがのツアーファイナルだ。文句の付けようがない演奏。

ギターリフとベースラインのイントロが印象的なPONTIACS名義で発表された「BPR」。曲の中で何度も登場するリフが刺さる。脳天ぶち抜かれる。ベンジーのシャウトからギターソロ、裏に小林瞳のコーラス。間奏バリヤバイ!
ラストのギターソロに入る前のベースとドラムも最高!オクターブが上がってゆくギターリフからのカットアウトで楽曲が終わる。

余韻に浸る間もなく攻めてくる。16曲目Messenger Boyのもう1曲のカップリング曲、「ピンストライプ」。どこかブランキー時代を彷彿とさせるような楽曲。ギターソロの間奏でベンジーがマイクから離れステージ中央に出てくる。それだけで胸がドキドキする。
中尾憲太郎のコーラスも良い!

17曲目「危険すぎる」。まさかの選曲!聴けると思っていなかったので嬉しかった!観客も思わず歓声を上げる!「危険すぎるー!」はもちろん大合唱!そりゃそうだ。僕も一緒に叫んでいた。

18曲目、中尾憲太郎の高速ベースからドラム・ギターが入り、全員のシャウトから浅井健一名義のシングル曲「DEVIL」。もうここまでで何度脳天殴打されてるか。カッコよすぎるだろー。。
巻き舌で歌うベンジーに惚れる!

えっ!?えっ!?
「サリンジャー」!!!泣く!本当に泣く!観客達と一緒に全パートシンガロング!浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのサリンジャー、すげー!!リズムが強靭で迫力が物凄い!というか、サリンジャー聴けただけで、もうなんか胸が熱すぎる。そして、サリンジャーで本編終了。個人的に、ベンジーの今までのキャリアの中でも特に思い入れのある楽曲だけに脳内真っ白に。

3人とも深々とお辞儀をしてステージを去った。それと同時にアンコールの拍手と「ベンジー!」という叫び声が至るところから聞こえてくる。なんというか、本当に心底ファンの愛を感じた。

そうこうしていると、3人ともステージへ戻ってきて、ベンジーから「アンコールありがとう」と一言。
「なんか面白い話するか、今日あんまり話してないもんね。最近話すようになったんだわ。」とMCが入り、「ベース憲太郎、凄いよね。」「ドラム瞳ちゃん、凄いよね。」と笑いを誘った。
観客からは「ベンジー話してー!」と声が飛び、ベンジーはそれに応じて、ブランキー時代の面白いエピソードを話してくれた。これはライブに来た人だけの特別な宝物という事で、ここには書きません!笑

アンコール1曲目「魔術師」。
ちょっと前まで面白い話をしてたのに、曲が始まった瞬間にテンションが最高潮まで上がるあたり、やっぱり別格!この曲も小林瞳のコーラスが印象的だ。
浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSは、バンドとしてもう完成されていると思った。演奏のスリル、緊張感、強靭さ、爆発、そんな色々がすでにバンドにしっかり詰まっている。

アンコール2曲目「細い杖」。こちらの楽曲もYouTubeにMVが公開されているので、まだアルバム「METEO」を聴けていない人も思い切り楽しめたと思う。そして、この楽曲はこれまで以上にタイトな演奏だった。緊張感が凄い。何か一つでも歯車がズレたら壊れてしまいそうなバランスで完璧に演奏されている。ロックバンドって、やっぱりこうだよね。と思う。

続けてベンジーのギターと歌から始まる「紙飛行機」。アルバムNancyより。僕の中で勝手にだが、ベンジーの楽曲にはいくつか大きく分けてパターンがあると思っている。この曲は、とにかく言葉を聴かせる楽曲だと思う。とても詩的で印象的な言葉がメロディと言うよりは語りのように刺さってくる。思わず息をするのを忘れて聴き入ってしまった。そして、アンコール終了。

でも、再度観客からはアンコールの拍手と「ベンジー!」という叫び声が止まらない。
それにしっかり応えて、彼らは再度ステージへ出てきてくれた。アンコール2度目!ありがとう!!

「あっという間のMETEOツアーだったね。朝まで騒ごうか?俺は朝まで騒ぐよ。」とMCが入り、ブランキーから「ガソリンの揺れかた」もうさ、ここまでキャリアを総括したような選曲でライブされると本当に泣きそうになる。イントロ始まった瞬間に涙腺緩むし鳥肌止まらないし、語彙なんてどんどん無くなっていくし。。
歌詞の「揺らしてるだけ 自分の命 揺らしてるだけ」のところを「揺らしてるだけ 自分の命 走らせてるだけ」と歌っていたような気がした。
今のベンジーは揺らしてるんじゃなくて走らせてるんだと勝手に解釈しながら、飛びまくりグァングァン狂喜乱舞。

アンコールラスト「Finish Field」。今作「METEO」でも最後を飾るこの楽曲をライブの最後に持ってくるあたり、やっぱりにくいなぁ。この曲でアルバムとライブを締めるところが好きだ。優しくて暖かくて愛が詰まっている。フワッと笑顔にしてくれる。汗だくゼーハー状態を、大きな愛で包み込んでくれる。もう他に言葉がないなぁ。歌詞をしっかりと胸に焼き付けて聴かせてもらった。

「センキュー、東京ベイビーズ。また会おうな。その時までみんな元気でな。」と最後にベンジーの言った言葉が最高だった。当たり前だ!また次ライブに来れるまで元気でいる!いなきゃいけない!きっと、観客みんなそう思ったに違いない。それだけ最高のライブだった。

浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSは最高のスリーピースロックバンドだったし、ベンジーのソロではなかった。本当にバンドだった。それも、これ以上ないくらいカッコ良い最高のロックバンドだ。
ベンジーの活動は多岐に渡るが、今回の浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSは出来るだけ長く続けて欲しい。と切に思った。

必ず、また今日の3人の演奏が観たい。だから、次のツアー「GINGER SHAKER TOUR 2017」や今後の制作活動を楽しみに待とうと思う。

本当に心より満足感を感じて、僕は頭の中で今日演奏された曲を次々と歌いながら帰路についた。今回のライブの余韻は長くなりそうだ!

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2017年2月23日 恵比寿LIQUIDROOM
浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS METEO TOUR 2017 Final

Kohei Murata

Kohei Murata編集長・ライター

投稿者の過去記事

バンド活動を通して、自分の音楽を世界に発信する事を志しながら、同時に仕事での独立を目指して様々な業種を経験する。バンドでは日本のみならず台湾でも活動を行い、台湾でのアルバム2枚のリリースや大型野外フェスティバルへの出演も果たす。
その後、様々な仕事を経験し2015年独立。
現在は音楽メディアOptimanotesの編集長兼ライターとして、記事の執筆をしている。

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