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ハイロック的音楽のすすめ Vol.17 – 手挽きのコーヒーミルでくるくるゴリゴリと。

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毎朝、ハンドドリップで目覚めのコーヒーを淹れて一日がスタートする。そのときは、電動ミルでガガガガガガガガガーっと、コーヒー豆を挽くところから始めるわけなんだけど、唯一の悩みは、その音。とにかくすごい音をたてて、周りのすべての音を飲み込んでしまう。一番たちが悪いのが客人との会話を遮ってしまうことだ。来客時にコーヒーを淹れるタイミングは、出迎えて、挨拶を交わした直後、最も会話の密度の濃いタイミング。会話の途中で、ほんの数十秒間だけあの忌まわしい音で会話は沈黙する。まぁ、あえて少し大げさに書いてはいるんだけど、そんなことが頭のどこかにいつもあった。

最近は、キャンプやカヌーなどのアクティビティーを楽しむことが多く、フィールドでもコーヒーを飲む機会が増えた。最初は家で予め挽いておいた粉を持って行っていたが、どうせなら、ということで、手挽きのミルを使い始めることにした。ゴリゴリとゆっくりハンドルを回して挽いていく。ハンドルから伝わる豆を粉砕する独特な感触が実に気持ちがいい。すり鉢で胡麻をする感触の100倍くらい気持ちがいい。ハンドルを回すとその感触とともに同じくらい気持ちのいい音が鳴る。くるくると回すとゴリゴリと音が返ってくる。ハンドルを止めると音も止まる。くるくるゴリゴリ、くるくるゴリゴリ。手を動かせば鳴って、手を休めればその音は止まる。まるで何かの楽器を奏でているような気分だ。家でも手挽きのミルは活躍する。遊びに来た友人たちは珍しがってその楽器を演奏し始める。くるくるゴリゴリ、くるくるゴリゴリと。コーヒー豆を挽く楽器の音は楽しい会話とスイングしていく。電動の忌まわしい音のように遮られることはない。豆を挽くことがこんなにも楽しいことだったのかと思ってしまう。人間が楽をするために発明された電動機械は、便利さと引き換えに知らず知らずのうちにそんな楽しみを奪ってしまっている。そんなことを気づかされた体験だった。あなたが今使っている便利な電動機械は、あなたの大切な何かを奪ってしまってはいないだろうか。便利さを否定することではなく、失いかけていた楽しみや大切なことを気づくことが重要であると考える今日この頃である。

ハイロック

ハイロックメディアクリエイター

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Fresh News Delivery 管理人
アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。人気サイトFresh News Delivery、ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。2014年、渋谷にLIL’RIRE CAFEをオープン。カフェでの新しいメディア表現を企画。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

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