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ハイロック的音楽のすすめ Vol.20 – ハイロックファーム

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3年ほど前から家の庭やキッチンの小さなスペースで家庭菜園を始めて、様々なことを感じ、学び、自分の中で変化が起こってきた。それをうまく言い表すことはできないので、その断片を少しずつ書き綴りながらお話していこうと思う。今回はまったく音楽の話ではないがご勘弁いただきたい。

命の展開図。
夏のこの時期は、植物がぐんぐんと音をたてるように成長する。我が家の菜園の野菜たちも例外ではなく、ぐんぐんと成長し実をつけている。少し前にホームセンターで種を買ってきてまいたものが、芽を出し、茎を伸ばし、葉が広がって、花が咲いて、実を実らせる。あの小さな種の中にこの一連の命の展開図がプログラムされているかと思うと自然界の力ってのはすごいなぁと、あらためて感動してしまう。

人間が100%コントロール出来ないこと。
水やりや肥料を与え植物の成長を手助けするのだけれど、人間ができることは限られていて、その大半は、太陽の光や雨、温度など自然がもたらす影響によるものだ。微生物やミミズが土の中で成分を分解し土を耕してくれるというのもそうかもしれない。やれることはすべてやるが、あとは天任せというのも僕が野菜づくりに強く興味を持った理由だ。うまく言葉にできないが、人間が100%コントロール出来ないことがとても面白い。

土を触ること。
ここ十数年は、東京のコンクリートの上で暮らし、土を触ることはまったく無かった。それに加え、仕事のほとんどはパソコンの画面の前で、空いた時間もスマホをいじってデジタル漬けの日々を送っていた。野菜を作り始めて土を触っていると、その十数年の間に体に蓄積された電気を電化製品のアースのように少しずつ放電してデジタルデトックスしているような気分にさせてくれる。科学的根拠はなく、もしかしたら「ただの気分」かもしれないが、肌感覚として自分が気持ちよくなっているのだからその効果は大きい。過去でも未来でも、スマホの画面の中でもなく、今ここで土をいじっている感覚がとても気持ちがいい。

思考の変化。
野菜を育て始めてから、土を触り、自然と向き合うことで自分の思考が大きく変わってきている。自分にとって何が大切で、何が必要で、必要ないことなのかを考えるようになった。40代に差し掛かり残りの人生の限られた時間をどう費やしていくか、考えてみる良いきっかけにもなった。

流れるままに流されていく。
野菜づくりは、人間が100%コントロールできるものではないが、人工的に作った畑を良くしていくには、どのように土壌が作られて、水分と栄養がどのようにして植物へと届いていくのか、自然界の法則を参考に真似ていくのが最も手っ取り早い効率的な方法だ。できることはすべてやったらあとは天任せ。流れていくままに身を委ねて、流されていくのがいい。なんとなく生き方も同じように考えるようになった。

スマホをピコピコといじるよりも楽しいこと。
みなさんはスマホを丸一日触らずに過ごすことができるだろうか? その質問をされたらきっと僕自信もそれは難しいと答えてしまう。ただ庭の菜園で夢中で土いじりをしているときは、そんなことをまったく忘れ、あっという間に時間が過ぎていく。スマホをピコピコといじるよりも楽しいこと、大切なことがそこにはあるからだ。仕事にしかり、趣味にしかり時間も忘れるほど集中できることが、今の自分にとって最も大切なことだ。

SNSの無い景色。
最近ふと考えるのが、InstagramやFacebookなどのSNSが無かった頃の景色ってどんなだっただろう? スマホの存在なんかを気にせずに生活していた頃ってどんなだっただろう? きっと懐かしいことではあるのだと思うがその感覚をまったく思い出すことができない。限られた持ち時間の中で何か大切なことを手に入れるには、その分の何かを手放すことになる。スマホ全てを手放すことはできないが、スマホの中のいくつかのことは手放すことができる。デジタルの中で繋がることのメリットは大いにあるが、もう一度、SNSが無かった頃の景色を見てみたい、そんなことを考える今日このごろである。

終わりに。
話はうまくまとまらないが、ぼんやりと考える頭の中身を断片的に書き出してみた。近い将来、空いた土地に大きな畑を作り都会の子どもたちに土を触らせてあげられるワークショップなんかが開ければいいなぁと考える。デジタル漬けになった大人の僕でもそこには大きな学びがあったのだから。よし、その畑の名前は「ハイロックファーム」と命名しよう。

ハイロック

ハイロックメディアクリエイター

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Fresh News Delivery 管理人
アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。人気サイトFresh News Delivery、ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。2014年、渋谷にLIL’RIRE CAFEをオープン。カフェでの新しいメディア表現を企画。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

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