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ヨルシカ – 「負け犬にアンコールはいらない」レビュー

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5月9日にリリースされたヨルシカ待望の2nd Mini Album『負け犬にアンコールはいらない』を早速聴いたのでレビューしていこうと思う。

1, 前世(inst)
ピアノの美しい音色でアルバムの幕を開ける。短いインスト曲ながら、胸にグッとくる音色とメロディ・コード感にやられる。この時点で、このアルバムへの期待が高まる。

2, 負け犬にアンコールはいらない
タイトル曲。テンションの高いギターロック。2度目のサビの後やってくるメロディが堪らない。
「人生に名前をつけるなら 希望って言葉は違うだろ もう何年待っているんだろう、わからないか」
「君以外はどうでもいいんだよ それだけはわかっていたんだろ」
という歌詞が刺さってくる。「負け犬」というキーワードで進んでいく歌詞が素晴らしく、胸を絞られる。最後転調してからのサビも秀逸。

3, 爆弾魔
なんとも印象的なタイトルの楽曲。
様々なもの・ことを爆破するという意味合いでの「爆弾魔」という歌詞の世界観がなんとも新しい。最後の「吹き飛んじまえ」という一節が堪らない。
ドラムとベースのリズムが気持ち良い。ギターの音が良い具合の歪み具合で、全編通して音が気持ち良い。ソロも最高。
その上に乗るsuisの声がまた素晴らしい。

4, ヒッチコック
指引きと思われるギターのフレーズと歌で始まる出だしが心地良い。その後入ってくるベース・ドラムも、良い感じで控えめな演奏をしていてバランスがとても良い。途中ライドをスイングするドラムがフックになっていて耳を持っていかれる。
サビでメロディも演奏も流れてゆくのが展開の鍵になっていて良い。
「涙が人を強くするなんて全部詭弁でした。」という歌詞が後まで尾を引いて色々考えさせられた。

5, 落下(inst)
ここで、もう1曲インスト曲。またピアノの音が心地良く鳴っている。その下で、深いリヴァーブのかかったドラムが鳴っているのだが、これが気持ち良い。「切なさ」という感情を音にしたら、きっとこういう音なんだろうな。と考えさせられた。

6, 準透明少年
ギターが前面に出たギターロック。全体的に叙情的な歌詞が目立つ。言葉を思わう追ってしまう。素晴らしい歌詞。ピックアップ出来ないので、全部聴いてもらいたい。演奏は、正統派なギターロックなのだが、展開が豊かで飽きさせない。ラスト落ちサビから、テンションが戻って来る瞬間が最高に気持ち良い。
秀逸すぎる1曲。何度も聴きたくなる。

7, ただ君に晴れ
和風なギターイントロのフレーズが印象的。
シンプルなベース・ドラム・ギターで進んでいく前半から盛り上がりをみせるサビへ突入する。シンプルな構成ながら、夏と切なさの匂いがする歌詞が印象的に鳴り響く。胸を締め付けられるようなインパクトのある世界観。途中のクリーントーンで弾かれるギターソロがまた、その世界観を広げている。
「君の想い出を噛み締めてるだけ」という最後の歌詞が脳裏にべったりと張り付いて取れない。

8, 冬眠
全体的にクリーンな音で進んでいく楽曲。途中入ってくるシンセサイザーも良い味を出している。ミュートで弾かれるギターの音が終始印象的に鳴り響き、幻想的な雰囲気を出している。
ギターソロも美しいクリーントーンで鳴らされる。後半のギター・ソロも暖かく歪んでいて、とても楽曲に合っていて最高だ。n-bunaの描く切なさを内包した歌詞の世界と、suisの透明感のあるボーカルが本当にマッチしていて、楽曲の世界が完成されていると感じさせる。

9, 夏風、バス停、君を待つ(inst)
最後の楽曲。こちらもピアノが印象的なインスト曲になっている。1曲目「前世」と繋がっているような切ない音色とコード感。このアルバムの世界を表すような始まりと終わりだと思う。素晴らしい音色に身を委ねていると、あっという間に終わりがやってくる。

アルバム、全9曲聴いてきたが、終わった瞬間に2週目に自然と入ってしまう程の強い世界観を放っていると思った。
アルバム1枚で1つの作品にしっかりとなってして、通して1枚聴いてやっと聴き手の中でも完結するようなそんな作品だと思った。

とにかく印象的なのが、n-bunaの歌詞とギターワーク、そしてsuisの表情豊かなボーカルだ。
夏や切なさみたいなものにフォーカスが当っている叙情的な歌詞が全編を彩っていて、その言葉を大切に丁寧に歌うsuisの声が本当に素晴らしい。
バンド感も前作よりも飛躍的に伸びていて、ギターロックとしてもかなりの完成度を誇っている。
一言で言えば「名盤」って事だろう。

この先、何年先でも聴き続けられるような、そんな完成度の高い秀逸な名盤だと思う。
このアルバムを持って、ライブを是非やって欲しいと、聴いている最中ずっと思っていた。

この世界観をライブで全身で受け止めたい。きっと、僕は涙を流す事だろう。そんな感情的なアルバムだと思う。

初回盤

初回盤


通常盤

通常盤


Kohei Murata

Kohei Murata編集長・ライター

投稿者の過去記事

バンド活動を通して、自分の音楽を世界に発信する事を志しながら、同時に仕事での独立を目指して様々な業種を経験する。バンドでは日本のみならず台湾でも活動を行い、台湾でのアルバム2枚のリリースや大型野外フェスティバルへの出演も果たす。
その後、様々な仕事を経験し2015年独立。
現在は音楽メディアOptimanotesの編集長兼ライターとして、記事の執筆をしている。

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