悩ましき日々20

杉山裕紀 – 悩ましき日々 Vol.20

五月。
【五月病】などという言葉がありますが…いや、待て。この話題、去年も書いた気がするな…やめよう。
と言うわけで、みんな元気?お久しぶりです、杉山です。

小、中学校の頃、なぜだかわからないけど周りに双子が多くいた。二卵性も一卵性も両方ともいた。『双子』と聞くとなんだか二人で一人というか、双子特有のシンクロニシティみたいなものがあると思ってしまうけど、いま思えば僕の周りにいた彼らはそういうものが薄かったような気がする。明るい子もいれば控え目な子もいたし、スポーツが好きな子と図書館が好きな子もいた。もちろん僕の知らない部分でお互いの共通の事柄が沢山あったのだろうし、僕の双子に対して持っている先入観のようなものもあるのかもしれないけど、あの子達はやはりそれぞれの個性があったしそれが強かったように思える。
もう今はすっかり大人で、立派にお勤めをしているのだろうけど、最近彼らに無性に会いたくなる。あの子たちはどんな風に生きてきて、今どんなふうに生活しているのだろう。
想像も及ばない、僕の知らないあの子たちを知りたい。

いしいしんじ著の【プラネタリウムのふたご】という小説を読んだ。
この本、複線の散りばめ方と回収の仕方がとてもとても鮮やかで、読んでいて全く飽きることがない。
いたるところに散っている伏線は手品でも観ているかのように華麗に回収され、回収された伏線はキラキラと光り出して、隠れていた星がプラネタリウムの天井に写し出されていくかのような気分になる。
そして最後に彼らが双子であった意味と生きていく意味を知った時、僕は感動の波を抑えきれなくて、泣いた。(喫茶店で。)
双子として、同じ道を仲良く二人で歩いてきた『テンペル』と『タットル』が全く別の道を歩き、それでも再びその道が交わっていく感覚と感動。是非皆にも知ってほしい。

おしまい。

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ここまで読んでくれたあなた、ありがとう。
突然ですが告知です。七月、舞台やります。
『嗤うコテージ』
7/5(木)~7/8(日)まで西日暮里キーノートシアターにて。
料金などの詳しい情報はツイッターにて記載しております。
双子の話とは正反対の、なんだかポップでダークなミステリーとなっております。
皆さんお時間ありましたら是非足をお運びくださいな。
劇場で会えるのをお待ちしております。

(ほんとの)おしまい。

杉山 裕紀

杉山 裕紀舞台俳優

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フリーの役者をしながら何とか毎日を消費している人。
普段は舞台を中心に活動しているが、声がかかれば映像の仕事にも参加。

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