須田景凪 – 「teeter」レビュー

今回は1月16日にリリースされた須田景凪待望の1st EP「teeter」をレビューしていきたいと思う。
「待望の」と書いたが、このEPを楽しみにしていた人は沢山いると思うのだが、かく言う自分もとても楽しみにしていたのでドキドキしながら再生を始る事となる。

まず、EPタイトル「teeter」、「ふらふら歩く」といった意味の単語が付けられている。前作「Quote」は「引用する、見積もる」などの意味のタイトルだったが、今作もタイトルは抽象的で意味深で思わず深読みしたくなる単語になっている。
一体どういった意味なのか、是非本人の口から語られて欲しいと願う。

さて、というわけでタイトルにそんな想いを馳せながら僕はアルバムを再生させた。

1曲目「mock」。
打ち込みのオルガン?の音が印象的にフェードで入ってきて、ドラムのハイハットから一気にバンドが入ってきて開ける。
須田景凪の声が入ってくる瞬間に胸を掴まれる。前作より安定した歌声、より飾らない須田景凪の素が見えるような歌声だ。
楽曲はシンプルなちょっとテンポの早いロックソングといった感じで、ギターの歪み過ぎない音が心地よくリズムを刻む。相変わらずメロディセンスが抜群だ。
ラストのディレイ・リヴァーブの効いたギターが印象的で、ベースが抜ける事で更に引き立ってゆく。アレンジも素晴らしい。

2曲目「パレイドリア」。
先日実写のMVが公開された事で話題になった楽曲だ。
曲はすでに多くの方が聴いていると思う。この曲もイントロのギターが印象的なフレーズで、本当にアレンジも上手いなと思わされる。
全体的にバルーン名義でボカロ曲を発表していた頃の曲調に近いのかな。と思った。特にサビへの入りからサビ全体の中毒性がシャルルなどに通じるものがあると思った。ふいにメロディが高くなって裏声になるあたりとかも、須田景凪名義になってからよりバルーン時代を思い出させる。
文句なくカッコ良い曲。

3曲目「farce」。
farce=茶番、と名付けられたこの楽曲は跳ねたリズムが特徴的で、一聴するととても明るい楽曲に聴こえる。
歌われている内容は決して明るいわけではないのだが、何故か楽曲と歌詞がとてもマッチしている。そこは、メロディラインの妙とでも言うか、歌詞と曲調をメロディが上手く繋いでいるように感じた。
須田景凪の楽曲作りの中毒性を産んでいる部分でもあるし、彼の才能を見せ付けるような楽曲だと思った。

4曲目「Dolly」。
こちらもすでにMVが公開されている楽曲。2ndライブのタイトルにもなった「Dolly」。イントロのピアノから一気に
須田景凪節なイントロへ。リズムが印象的なAメロを抜け落ち着くBメロからサビへ。
メロディが兎に角全編素晴らしい。2度目のサビの後の展開も秀逸。ラストのサビに入る前のため方が最高。本当に須田景凪のアレンジ好きです。

5曲目「レソロジカ」。
ダンロップ、スタッドレス・タイヤ”WINTER MAXX 02 プロモーション短編アニメーション第2弾「ROAD TO YOU -星降る丘の約束- 」主題歌。
短編アニメをYouTubeで観て、早く楽曲全編聴きたかった人も多いのではないだろうか。
とりあえず言える事は、めちゃくちゃに良い曲だと言う事。良い曲の定義ってとても難しいのだが、きっとメロディだけ良くても、アレンジだけ良くても、歌詞だけ良くても、歌だけ良くてもダメで、その全部が見事に合わさった時に名曲と感じさせるんだと思う。この曲を聴いて、それをとても感じさせられた。
僕にはこの楽曲について語れる事はないと思った。上記した通りなのだ。全てが全て文句なく素晴らしく相性も良く鳴らされている。つまり名曲なのだ。しかも、聴けば聴く程のめり込んでしまうような中毒性。個人的には、このアルバムの中でも一番中毒性が高いと思う。

6曲目「浮花」。
深いリヴァーブの効いた歌とギターから始まる幻想的な楽曲。相変わらずメロディが美しい。途中から入るアコギのフレーズも良い。
静かな楽曲なので、須田景凪の歌が一番良く表に出ていると思う。サビのファルセットが美しい。
ラストだけドラムを入れるアレンジがニクい。アルバムを締めくくるのに相応しい終わり方だと思う。

全6曲、EPとしてのボリュームとしては、満足感で言えば150%と言いたい。無駄を全部削ぎ落とし、必要なものしか詰まっていない。そんな印象を受けるEPだ。
兎に角純度の高いEP。須田景凪というアーティストを凝縮したEPだ。
そして、恐ろしく完成度が高く今後が恐ろしくなる程素晴らしい楽曲が続く。このEPを携えてライブの開催も決まっている。
今からライブが楽しみだ。一体ここに収録された楽曲達をどうやって演奏してくれるのか。

須田景凪名義での活動はまだ始まったばかり。
本当にこれからなのだが、2019年凄まじい飛躍の年になるのであろう事が、このアルバムでよく分かる。今年が終わる頃、須田景凪は今の何倍もの規模のアーティストに成長しているだろう。それもまた楽しみだ。

まずは、この「teeter」という名盤を何度も何度も繰り返し聴いていこうと思う。

須田景凪 1st EP「teeter」クロスフェード

須田景凪「Dolly」MV

須田景凪「パレイドリア」MV

須田景凪「mock」MV(Short ver.)


Kohei Murata

Kohei Murata編集長・ライター

投稿者の過去記事

バンド活動を通して、自分の音楽を世界に発信する事を志しながら、同時に仕事での独立を目指して様々な業種を経験する。バンドでは日本のみならず台湾でも活動を行い、台湾でのアルバム2枚のリリースや大型野外フェスティバルへの出演も果たす。
その後、様々な仕事を経験し2015年独立。
現在は音楽メディアOptimanotesの編集長兼ライターとして、記事の執筆をしている。

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