[Live Report] King Gnu – 2020年11月25日 King Gnu Live Tour 2020 AW “CEREMONY” @日本武道館

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この日は、King Gnuにとって初めての武道館2 Daysの2日目であり、何よりも2020年という新型コロナウィルスによる未曾有の大混乱の中、有観客でのライブツアーの開催に踏み切った歴史に残る公演でもある。

思えば、僕が前回King Gnuのライブを観たのは2019年11月26日なので、ちょうど1年振りになる。そして、今年1月にリリースされた、確実に今年の日本の音楽シーンを代表するアルバムの1枚である「CEREMONY」のやっと開催されるツアーでもある。本来であればアルバムリリースの後に予定されていたツアーがとっくに終わっていたはずだが、アルバムリリース後にそんな事は不可能であったし、2020年中に今こうやってライブを観れる事には喜びしかない。
常田大希が言う通り、このツアーは後にも先にも無い、今この時代の空気を纏った特殊なツアーになるのだろう。
斯くいう僕も、会場に入り明らかにコロナ以前とは違う場内の雰囲気を肌で感じている。会場へ設置された座席は間隔を空け、有観客ではあるが入れる人数は限られている。また会場へ入る際は消毒や体温の計測が行われ、会場内も全て事前に消毒済みという徹底ぶり。コロナ対策という面から見ても、素晴らしいの一言だと思う。

開演時間の19時を少し過ぎ会場暗転と共にSE「開会式」が流れる。ステージでは炎が燃え上がる演出。観客は大きな歓声を上げず全力の拍手でメンバーを迎える。思わずゾクっとした。ライブが始まるんだ、2020年、この時代に、、。
ステージバックに大きな「King Gnu」のモニュメント照明が輝く中、常田から「Tokyo!!!」と大きなシャウト、拍手がより大きくなる中1曲目「どろん」からスタート。
いきなりロックモードに持っていかれる!今日も新井和輝と勢喜遊のリズム隊のタイトで迫力ある演奏が際立つ。待ち侘びに待ち侘びたKing Gnuのライブ、すでに涙が出る程かっこいい。井口理と常田大希のツインボーカルは今日も最高だ。後半井口のシャウトに全身鳥肌が立つ!夢中でステージに釘付けになっていたら、あっという間に「どろん」が終了。

続けて2曲目「Sorrows」。1曲目に続き一気にボルテージが上がる選曲。途中常田のギターソロや「Sorrows」というシャウトが犯罪的にヤバい!井口の歌もとても調子が良さそうで、今日のKing Gnuのコンディションが最高な事がもう伝わってくる。曲終わりに井口から「Thank you!!」と一言。

井口から「歌って踊って楽しんでって下さいー!」とあり、スクラッチ音から勢喜遊の特徴的なドラムパターンで3曲目が「Vinyl」である事が分かりテンションが上がる。ライブの定番曲だが、何度聴いてもそのカッコ良さに驚かされる曲。
ステージを歩きながら歌う井口を追いながら、ステージ両サイドにある大型ビジョンで各メンバーの表情まで分かり嬉しくなる。
新井の美しいコーラスや、音源とは全く違う常田のギターソロに心臓がギュッとなる。King Gnuにいかに自分が恋をしてるか実感した瞬間だ。

勢喜遊の4カウントから4曲目「It’s a small world」。ミドルテンポのとても優しい楽曲。ラスト、演奏が激しくなるパートでのドラミングが凄まじかった。美しさと優しさの中に激しさを内包している、彼らじゃなきゃ鳴らせない楽曲だと思う。

5曲目、こんなに早く来ると思わなかった「白日」。井口の歌い出しで全部持っていかれる。会場が浄化されるかのような雰囲気になる。あまりにも美しい…。世間では「バラードとして大ヒット」なんて言葉では片付けられないくらいヒットしている楽曲だが、ライブだとロックバンドとしての「白日」になっていて、違う楽曲の表情にグッとくる。リズム隊の力強さもギターの激しさもライブバンドとしてのKing Gnuが全て凝縮されたようなステージングにやられる。
凄まじいカッコ良さと美しさで進んでゆき、間奏で演奏が爆発した後、ラスト井口のキーボードが美しい音色を奏でて終わる。完璧。

これ!これを待ってた!6曲目「飛行艇」。まさにこういう大きな会場で鳴らされる為に書かれたかのような楽曲!ステージの炎がド派手な演出になっている中、井口が両手を大きく広げ観客に向かう。常田は体ごとギターソロを表現するかのように激しいソロとリフを奏でる。
シンプルながら新井と勢喜遊のリズムは完璧とでもいうべき重たいリズムを刻む。これは、あまりにカッコ良過ぎやしないか?
まさに「命揺らせ!」という演出と演奏!演奏後、会場から割れんばかりの拍手。当然だ。

勢喜遊のドラムソロから7曲目「Overflow」。
軽快なリズムとポップネス、King Gnuの懐の広さを感じさせてくれる楽曲。元は他アーティストへ提供した楽曲のセルフカバーだが、しっかりKing Gnuの音になっていて、言われなければセルフカバーとも気付かないと前から思っている。気持ち良さそうに歌う井口に心が温かくなるような、とても素敵な気持ちにさせられる瞬間だった。

常田のシャウトから8曲目「Slumberland」。
拡声器を持って観客を煽るようにステージを闊歩して歌う常田が神がかってカリスマ!こんなカッコいいことってある?ステージ最前列でしゃがんで、観客を煽り、歌い、シャウトする常田から目が離せない。観客も声を上げられない中、手を振り体を揺らし全力で応える。こんな光景も2020年だから起きている事なのだろう。そして、ラスト勢喜遊の激しいドラムから全員で音を合わせ終了。本当にあっという間。もう何回か演奏してくれないだろうかと思った。

今拡声器持ってステージで暴れてた人か!?ってくらいの素晴らしいピアノソロを披露する常田、9曲目「Vivid Red」。この曲、早く音源化して欲しいとライブで聴く度に思う。前半の常田のボーカルから井口のボーカルへの移行が美しすぎると毎回思う。ステージバックには花のような照明が映し出され、カラフルなステージの中、ドラムのリズムが移り変わりながら進行してゆく非常に凝った楽曲だと思う。
ラストのカットアウトが素晴らしい。井口から「Thank you!!」と一言。

ハモンドオルガンかな?荘厳な雰囲気から10曲目「Hitman」。メリハリのあるリズムが中毒性を孕み、その上で井口の素晴らしい歌声が響く。サビの新井のコーラスと井口のボーカルがとにかく美しい。King Gnuは本当に様々なタイプの楽曲を演奏出来るバンドだが、この曲も彼らならではのメロディメイクやアレンジの楽曲だと思う。

常田と井口がブルーの照明に照らされ、ピアノのアドリブから11曲目「The hole」。ファンの多い名バラード。今日の「The hole」は比較的常田のアドリブが短くすぐに楽曲が始まった。美し過ぎるメロディと井口の歌声が胸に刺さる。
後半にいくにつれ、どんどん感情的な表現が増し、歌詞の世界と相まって涙腺を刺激され心を揺さぶられる。ある種シンプルな構成と照明がまたこの楽曲の素晴らしさを引き立たせていると思った。

井口から「良いバイブスで出来てますね、みなさんの温かさと、それに当てられて僕らも楽しんでやれています。」「今日さ、真面目なMCをやろうと思ってたんだけどさ。」とあると、新井も話したいと言い、どちらが先に話すか掛け合い。こういう瞬間がとても楽しくて、メンバー仲の良さが伺えてホッコリするし、なんだか嬉しく思う。

勢喜遊からもMC「みなさん、来てくれてありがとう。以上です。」、シンプルだけど勢喜遊ぽくて良かった。

井口から大学時代の師匠とも呼べる方との真面目な話が語られ、笑いを取らずファンへの感謝とこれからも頑張りたいという決意表明とも言える良いMCを披露した。
次に新井からも、武道館を夢見ていた事、そしてそれが実現した今、これはまだ通過点である事、これからも頑張りたいという事、そしてプライベートな話なので内容は伏せるが、新井が涙ながらに話す場面があり会場も大きな拍手で新井の気持ちに応えた。

King GnuのライブMCは良い意味でおちゃらけた部分があるのも楽しさなのだが、今日のMCは本当に真面目で良い話で聞き入ってしまった。ラフでおちゃらけたMCも真面目なMCも出来るようになった彼らのライブ、もう無敵じゃないか?

ここからライブも後半戦。
12曲目「ユーモア」。軽快なリズムが心地良い楽曲。個人的にこの楽曲のアレンジには可愛さを感じたりする。ユーモアというテーマの歌詞との組み合わせがまた絶妙で、とても良く出来た楽曲だと思う。

続いて13曲目「傘」。「ユーモア」からの流れがとても良い。全体的に井口と常田のツインボーカルで進んでいくのだが、本当に特徴の全く違うボーカルなのに相性が最強なんだよな。と改めて感じた。
歯切れの良いアウトロが最高に気持ち良く、カットアウトの終わりまで心地良い。

ここで、機材トラブルからの井口が「ごめん、ちょっとトイレ行ってきていい?」とステージを離れる(笑)。さすがに、こういう場面は初めて観た(笑)。
そして、すかさず勢喜遊がドラムを叩き始めると、それに合わせ新井がチョッパーでアドリブを合わせる。そこへ常田もアドリブでギター参戦!思わずとんでもないものを聴けた!なんというレベルの高い演奏!最強過ぎる。井口のトイレに少し感謝したい、そんな気持ち(笑)。そんな中井口が戻ってきたら、演奏が止まる事なく14曲目「Tokyo Rendez-Vous」。何を観せられてるんだ!?とんでもないものを観てる気がする。King Gnuのバンドとしてのレベルの異次元さを体感している!
トーキョー・カオティック、トーキョー・ニューミクスチャー、これぞKing Gnu!!初めて聴いた時の衝撃はそのまま、全く色褪せず圧倒的オリジナリティにぶっ飛ばされる。一瞬たりとも見逃せる場面がなく、ステージの4人全員が確実に主役だ。後半の演奏、井口は両手を広げ観客を煽り、常田のギターは凶悪な音でコーラスパートと同じメロディを奏で、新井のベースは唸りながら新井自身もステージ中央へ出て来て、勢喜遊のドラムもラフに激しくなる。
最っ高!!

常田の綺麗なクリーントーンにディレイをかけた素晴らしいギター演奏に合わせ井口が歌い上げる15曲目「破裂」。心をギュッと鷲掴みにされるような2人のシンプルな演奏に思わず涙腺が緩む。素晴らし過ぎる演奏の終盤、最後井口の美しいロングトーンから、そのままの流れでバンド演奏へ移行。

16曲目「Prayer X」。音源では静かに始まる出だしの部分が前曲「破裂」になっていて、思わず前のめりになる。イントロの始まり方がヤバいかっこよさ。新井のシンセベースが特徴的な音を鳴らし、個人的にこの楽曲もこれぞKing Gnuな特徴的なスケールのフレーズが鳴り響く名曲。素晴らしいメロディラインと歌詞にロックな演奏。サビの井口と常田のツインボーカルも文句なし。

本当に彼ら程オリジナリティに溢れたバンドは珍しいと思う。一つ一つの音を取っても今までに聴いた事がなく、だからこその圧倒的な中毒性を持っていて、全ての楽曲がキラーソングと言ってもいいと思う。

常田がギターを掻き鳴らし、井口から「最後2曲、ついて来いよ!いくぞTokyo!!!」と一言。17曲目「ロウラブ」。ここへ来てのアルバム「Tokyo Rendez-Vous」からの楽曲が増えるのはヤバい!いかに最初のアルバムから彼らがヤバかったかを再認識するような演奏が続く。後半、音源とは全く違う、もっともっと激しいアレンジに変わっていて、ボルテージも最高潮が近い!!とにかくテンションが上がる!!

そのまま特徴的なシンセの音が鳴り響く!18曲目「Flash!!!」が始まる事が分かる。勢喜遊にライトが当たり、どうすればこんな高度な技術が身につくのかと思わされるような凄まじいドラムプレイから、そこへしっかりと完璧にジョインする他の楽器に驚かされ、曲がスタート!観客席を指差しながら歌う常田にやられた。
タンバリンを叩きながらサビを熱唱する井口のカッコ良さたるや。そして、どのギターソロも後頭部ぶっ叩かれるかのような凄まじい演奏をしてくる常田から目が離せなくなる。四位一体、全員凄まじいにも程がある。ラスト、アドリブかな?全員でガンガンに攻めた熱い演奏を繰り広げ会場のボルテージをこれでもかと最高潮に持ってゆき、ロックバンドとしての格の違いを見せつけるように演奏を終えた。

ゆったりと観客席へ手を振ったりしながら4人がステージを後にする。それと同時に会場からは拍手と鳴り物でのアンコールを求める音が鳴り響く。
ここでまた2019年までと2020年という年がいかに違うかを意識させられる。本当に今の時代を象徴するような時間が流れている。

そうこうしている内に、会場には「閉会式」が流れる。その中、メンバー4人が戻ってきた。割れんばかりの拍手で、またメンバーを迎える。

「閉会式」が終わると同時に、アンコール1曲目「三文小説」。ドラマ「35歳の少女」の主題歌として、すでに配信リリースされ、まさに今大ヒット中の楽曲。
MVの世界観をそのままステージへ持ってきたような、猫背でピアノに向かう常田と、観客席に向かってハイトーンボイスで美し過ぎるメロディを歌う井口、楽曲の世界観を表現する重たいリズムを奏でる勢喜遊、シンセベースで重たいリズムを更に加速させる新井、全てが素晴らしい。
音源は勿論の事素晴らしいのだが、生の歌声までこんなに美しいのかと、ただただ圧倒されてしまった。

ついに今日のライブも最後の曲。
何の曲で終わるのかと思ったら、アンコール2曲目「Teenager forever」で幕。のっけからテンション高く掻き鳴らされるギターと迫力ある井口のボーカルからの全員一丸となり最後の最後、最高にまとまりのある演奏が繰り広げられる!
途中から会場も明るくなり、ステージの炎の演出もこれでもかと盛り上がり、凄まじいテンション感で突き進み、全員のアドリブ演奏で今日一番の盛り上がりで演奏を終えた。

ステージからメンバーが去り、今日のライブが終わった。ちょうど1年振りのKing Gnuのライブ、そして初武道館、新型コロナウィルスがまだ落ち着かない中での開催、何もかもが特別だった。
この時期にライブを開催した事自体が、凄い決断だったと思う。でも、彼らがそうやって一歩を踏み出してくれた事が心の底から嬉しいし、この一年ライブをほぼ観れなかった中、やっと観れたライブがKing Gnuのライブという事に喜びしかなかった。
「この時代の空気を纏ったライブ」、まさにその通りだった。いつかまたライブが普通になる日がやってくる事を願うばかりだが、こうやって少しでも前に進んでくれる事が嬉しいし、希望を持てた一日だった。

当然ライブ離れしていたのはバンドもなのだが、1年前とは比べ物にならない大きな会場で、ライブのクオリティが驚く程に上がり、バンドとして確実に成長している様を見せ付けられた。ここまで知名度が上がり、ファンが増え、国民的バンドの仲間入りをしても、どこかアンダーグラウンドな精神を感じさせ、己の道をゆくKing Gnuはまだまだこれからも台風の目で有り続けるし、まだまだ音楽地図を書き換えてゆく存在だと改めて認識させられた。

今回のツアーが終わり、2021年を迎えた後彼らがどうなってゆくのか、心の底から楽しみだしずっとずっと追いかけてゆきたい。そんな気持ちにさせられるライブだった。

【セットリスト】
SE, 開会式

01, どろん
02, Sorrows
03, Vinyl
04, It’s a small world
05, 白日
06, 飛行艇
07, Overflow
08, Slumberland
09, Vivid Red
10, Hitman
11, The hole
12, ユーモア
13, 傘
14, Tokyo Rendez-Vous
15, 破裂
16, Prayer X
17, ロウラブ
18, Flash!!!

-Encore-
SE, 閉会式

19, 三文小説
20, Teenager forever

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2020年11月25日 日本武道館
King Gnu Live Tour 2020 AW “CEREMONY”

photo by 伊藤洸祐、小杉歩

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[告知]

■見逃し配信
12月8日(火)23:59まで見逃し配信中!
当日見逃した方もライブ映像をお楽しみいただけます。
チケット販売は12月8日(火)18:00まで。

チケット販売ページ

チケット料金:3,500円(税込)
見逃し配信期間:見逃し配信公開から~12月8日(火) 23:59まで
チケット販売期間:12月8日(火)18:00まで
※見逃し配信公開までは、しばらくお時間をいただく場合がございます。

■今回のツアーから初の単独武道館公演が放送決定!!
番組情報
11月25日に日本武道館で行われた「King Gnu Live Tour 2020 AW “CEREMONY”」をMUSIC ON! TV(エムオン!)独占初放送!

M-ON! LIVE King Gnu 「King Gnu Live Tour 2020 AW “CEREMONY”」
<放送日時>12/26(土)20:00~22:00

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King Gnu Live Tour 2019 AW 2019. 10. 22 日比谷野外大音楽堂(約90分収録)

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Kohei Murata編集長・ライター

投稿者の過去記事

バンド活動を通して、自分の音楽を世界に発信する事を志しながら、同時に仕事での独立を目指して様々な業種を経験する。バンドでは日本のみならず台湾でも活動を行い、台湾でのアルバム2枚のリリースや大型野外フェスティバルへの出演も果たす。
その後、様々な仕事を経験し2015年独立。
現在は音楽メディアOPTIMANOTESの編集長兼ライターとして、記事の執筆をしている。

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