[特別編] Yamakatsuのロコドリズム Vol.61 – Tamanoiプロデューサー

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今回は、Optimanotesの連載開始から6年目ということで、僭越ながら僕が筆?を取ることとなりました。

早いものでYamakatsuも今年の12月で結成10周年を迎えます。
幸いなことに、メンバーが結成当初から変わらずに現在まで活動をすることが出来てます。
決して順風満帆な10年とは言えませんが、TIFや@JAMといった大型アイドルフェスや、モリワキユイがソロとして参加し、グランプリを勝ち取ったNIG2019など、山口県という田舎からそれなりの結果は残せているかとは思います。もちろん満足の行く結果とはほど遠いですけど(笑)

実は2年ほど前から、結成10周年を迎えるにあたり、山口県に2020年に新設される県内最大のホールでのワンマンライブを企画しておりました。
そのために、東京、名古屋、大阪、福岡の大都市圏での定期公演を企画し、県外でのファン獲得を行う予定でした。
しかし、昨年の新型コロナウィルスの影響により、定期公演の中止はもちろんのこと、メンバーが高齢の家族と同居していたり、感染増加傾向のある地域に行くことにより、メンバーが感染してしまった場合に、被害者のみならず、加害者になりかねないということを懸念し、県外に遠征することも出来なくなりました。

県内では、地元ライブハウスの徹底した感染症対策により、ライブは出来るものの、新規獲得はおろか、既存のファンの方でさえも、なかなかライブハウスに足を運ぶことがままならず、集客も芳しくなく、もちろん地元新規ファン獲得のための、お祭りやショッピングモールでのライブも行うことが出来ない状況になりました。

そうなってくると、やはり多くのグループがオンラインライブやオンラインサイン会を実施したように、僕らも売り上げを確保するために、実施を余儀なくされました。
正直、さすがに9年活動するグループだけあって、ありがたいことにファンの皆さんもその意図を汲んでくださり、オンラインサイン会などは盛況で、販売すれば即完売という状況にはなりました。

しかし、問題はもっと違うところから遅れてやってきました。

メンバーのモチベーションの低下です。

配信ライブや、オンラインサイン会などは、最初の頃こそ新しい試みとして、メンバーも楽しんでいたのですが、数ヶ月、1年と長期化していくうちに、やはり生の熱気のあるレスポンスがあるライブやサイン会とは違うため、モチベーションの維持が難しくなってきたのです。

そんな中、配信ライブならではの取り組みとして、普段では出来ないようなカメラアングルやドローンを使ったり、特別なロケーションを使ってスペシャリティのある配信ライブを行いました。
これは好評でしたし、メンバーもあとで映像を確認して、モチベーションもやや上がった感じはあったのですが、なんせ費用が嵩むので、何度もするわけにもいきません。

そのような状況もあり、ついに1年9ヶ月前に結成したばかりの姉妹グループ『HAUHAI』は、メンバーの脱退が相次ぎ、解散を余儀なくされました。
これまでいくつものアイドルグループの解散に立ち会ってきたものの、自分の事務所のグループの解散を経験するのは初めての事でした。
さらには、Yamakatsu10年目のチャレンジと題して、かなりの気合いを入れて臨んだ『ZEPP FUKUOKA』でのワンマンライブは、人数制限があるにも関わらず、ソールドアウトに至らず、更なる追い討ちとなりました。

正直、僕にはもう打つ手はありませんでした。
未だにYamakatsuというグループが継続していられるのは、メンバーそれぞれが約10年間という大切な時間をアイドルに捧げてきたからこその『失くなることへの恐怖』であるように僕には思われました。
これまで『もっと上に!』と向上心を煽り続けて来たわけですから、僕は何としても未来に期待が持てる何かを提供しなければならないと考えました。

藁にもすがる思いで、ファンクラブに加入してくれているファンの方達に呼びかけて、オンラインミーティングを実施しました。
内容の中心は『どうやって新しいアイドルの情報を得ているんですか?』です。
コアファンにこの内容を聞くのも変な話しなのですが(笑)それだけ新規獲得の方向性が見えなかったんだと思います。
やはり、多くは友人からの紹介だったり、偶然対バンライブで見かけたり、といった内容でしたが、その後皆さんが口を揃えて言ってたのは『動画を検索する』という事でした。
それ自体は別に新しい発想でもありません。
むしろ今の時代、動画コンテンツを充実させることは必須だと思います。
しかし、改めて自分達のYoutubeチャンネルを確認してみると…驚くほど動画が少なく、UPしているものは、大きな会場でのワンマンライブの映像や、Music Videoのみでした。
そこには、僕らが最も伝えたい『ライブの熱量』だったり、『真摯に取り組む彼女達の姿』だっり、『恋愛ソングではなく、応援歌を多く歌う』ということ、更には『山口県のアイドル』というアイデンティティを感じさせるコンテンツすら無かったのです。
ファンの方からしても、せっかく誰かにYamakatsuをオススメしようにも、公式から発信される手軽なコンテンツがMVくらいしかなかったのです。
そこで、スケジュールの空きを余儀なくされた場合には、山口県の良いロケーションで、僕のワンオペでできるような簡単な機材で、MVになってない曲を1曲毎にYoutubeにアップするようにしました。
メンバーとロケーションやどの曲をやりたいか?などの会議をしました。
その結果、まず選ばれたのは『ソラノシタ』という曲です。
ロケーションもメンバーが選んだ『夕陽が綺麗な場所』になりました。

まだ、始めたばかりで、どのような結果になるかは分かりませんが、撮影から公開までをスピーディーに行えることと、MVよりラフに行えること、とはいえ作品を作ることに変わりはないことから、メンバーのモチベーションにも良い影響をもたらせることが出来ていると感じます。

コロナ禍において、どうしても先行きの不安から『新しいもの』を作ることに考えを持っていってしまいがちになりますが、僕はこれまでの活動を振り返ることでみえてくる『やれてなかったこと』に注視することこそ、アフターコロナの時代へ向けて必要な『何か』が見えてくるような気がします。

Yamakatsu10周年記念ライブ
2021年11月27日(土)
KDDI 維新ホール
にて開催

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Tamanoi Nobuhiko

投稿者の過去記事

1980年8月生まれ

16歳の頃にラップを始める。その後音楽ビジネスに興味を持ち、26歳で広島のインディーズレーベルに就職。28歳の頃に自身の所属するグループの東京進出に伴い上京。同時に東京の広告代理店で音楽事業の立ち上げに携わる。30歳の頃、地元の先輩の依頼によりYamakatsuの音楽プロデューサーとして参加。34歳で地元に戻りファイブリッジミュージック合同会社を設立。現在に至る。

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