2015年12月2日にLive CD「.CALLC.」と同時発売された、まさに音源と一対になっている2015年12月4日のラストライブ「.RESPONSE.」で、7年間の活動を終了した古川本舗ラストとなるLive DVD。
このDVDには2015年9月20日に新宿FACEで行われた「.CALL.」の模様が収められている。
このDVDを観て一番印象に残るのは、何よりも観客の笑顔だろう。勿論、メインはバンドメンバーの演奏シーンなのは言うまでもないが、ステージが観客に囲まれているという特殊性もあり、観客が沢山映っているのだが、とにかく映る観客達が皆幸せそうなのだ。DVD全編通して、その多幸感がとても印象に残る。
そして、その多幸感を生んでいるのは、間違いなく古川本舗の終始楽しそうな演奏の姿だろう。
普段のライブとは趣の違うアコースティックライブ、またステージが観客に囲まれている事、様々な要素が絡み合って、メンバーも観客も素晴らしいほどの幸福感に溢れかえっている。
こんなに幸せそうなライブにはあまり出会えないのではないだろうか。そして、その映像を7年間の活動に終わりを告げる最後のリリースDVDとして選んだ古川本舗の素晴らしさを感じる。
最初にCDと一対になったと書いたが、CDでは見えてこない会場の雰囲気がやはり映像になるとダイレクトに伝わってくる。
どんな会場で、どんな雰囲気で、どんな観客で、メンバーはどんな様子で、など目から入ってくる情報として自然に受け取る事が出来る。
そういった意味で、やはり今回のCDとDVDは一対なのだろう。CDにもDVDにも、そこからしか伝わらないものがある。
収録曲だけを見るのであれば、DVDの収録曲はCDで網羅されているが、僕はこの作品はどちらか一つでは完結しないものだと思っている。
DVDを見て、CDを聴いて、はじめてこの2015年9月20日のライブを感じる事が出来る。
楽器を弾いている姿を見れる事も、ダイレクトに音とリンク出来るので、とても素晴らしいと感じる。
この時、すでに古川本舗は2015年年内で活動を終了する事を発表していたが、だからこそ7年間の集大成のような研ぎ澄まされた演奏になったのではないか。そんな事をDVDを見ながら思っている。
非常に個人的な事なのだが、ライブDVDというのは購入しても一度見ると、しばらく見ない事が多い。やはり音源の方が外でも聴ける分、頻度が多くなるのだ。
だが、このライブDVDは一度見終わった直後に、もう一度再生をしたくなる。そんな作品だ。
また、映像ならではのオフショットが多数収録されているのも見所だろう。リハーサルの風景など、普段目にする事の出来ない映像が盛りだくさん入っている。
ファンであれば勿論、これから古川本舗を知る人も非常に楽しめる作品だと思う。
古川本舗は本日時点ですでに活動を終了してしまっているが、このラストDVD/CDによって僕らの中にずっと生き続けるのだろう。
それは、とても幸福な事だ。
ありがとう、古川本舗。