村田悠生「いざイグニッション!」 Vol.07 – エンドゲーム

I LOVE YOU 3000

未だかつて、ここまでシンプルで、暖かくて、優しくて、微笑ましい言葉があっただろうか。
この一言が、11年間の長い歴史の中でこんなにも脳裏に焼き付くとは思いもよらなかった。

先月4月26日に公開された「アベンジャーズ/エンドゲーム」は、長い映画の歴史に新たな伝説を作った作品だった。
正直僕の様な20年そこそこの映画オタクが語っていい領域ではないのは100も1000も3000も承知なのだが、
ここは僕のコラム。僕のレイヤー。僕の世界なので許してほしい。
あ、あと、できるだけネタバレは避けるが、きわどい内容に触れている部分があるかもしれないので、まだ見に行っていない人はご注意していただきたい。

はいはいここまでお膳立てすれば後は怒られないかな?いいかな?好きにやらせてもらうよ?そうだよ!これが村田悠生のスタイルだよ!
なーにをコラムニストぶってんだって話ですよ。まだまだアマチュアでお子ちゃまな村田悠生には大した影響力なんかないんだから、
世間体なんか気にしないで思った事を全部書き起こせばいいんだよって話です。

という訳で先月宣言した通り、4月26日に見に行きましたよアベンジャーズ。

冒頭でいきなり見せつけられる、ホークアイことクリント・バートンの絶望。
前回「インフィニティーウォー」のラスト、サノスのデシメーション。
絶望で終わった前作から(実際の月日で)1年間。
「エンドゲーム」を心待ちにし、エンタテインメント見たさで足を運んだ観客に、改めてこの作品は「絶望の続き」なんだと現実を叩き付けた。
後味の悪い作品はいくつもあるが、前味(?)の悪い作品はそうそうないんじゃないかな?いきなり胸が締め付けられてしまった。

シーンが変わり第2の絶望。

前回サノスに殺されかけたアイアンマンことトニー・スターク。
同行していたギャラクシーズメンバー、ストレンジ、スパイダーマンは全て消え去り、
残ったネビュラとともに暗い宇宙をさまよっている。
機械の体のネビュラと、機械に覆われた体のトニーが、お互いに気を使い生活するというとても不思議でシュールな空間を演出していた。
そしてここで、ファーストトレーラーで使用されたミスポッツへの最後のメッセージシーンに入る。

この後ある人物がトニー達を助けて無事地球に帰還し、現アベンジャーズと再会。シビル・ウォー以来会話シーンのなかったトニーと、キャップ達が久々の再会。
険悪。スーパー険悪。
負ける時は一緒。サノスに負けた時お前はいなかった。
この台詞。
トニーがキャップを本当は必要としている気持ちが溢れていてとても印象的な台詞だった。

のっけからこの内容の濃さ。
やばくないかこれ。
冒頭でいきなり物語の終盤のようなシリアスさがあるんだけど、これ3時間だよね?こっから3時間絶望を見せられるのか?
そんな気持ちでいたら、とんでも無いことが起こる。

ここは是非ネタバレなしで純粋な衝撃を受けて欲しい。

オープニングが終わり、ようやく本編が始まるのだけど、もう本当に救いようがない雰囲気。
画面に明るい色はなく、暗い印象と暗い会話…淡々と進んでいく会話の中に一切の希望もなく、え?この話どうなっちゃうの?って感じで進んでいく。

そんなネガティブな雰囲気の中、唐突に現れる光明。
アントマンことスコット・ラングが量子世界から帰還してくる。
スコットは量子世界の時間の流れが普通の世界とは違い、タイムマシーンを作り過去に戻って事態を収拾出来るのではないかと提案。
見事その考えは的中し、まさかのタイムトラベル作品へと移るアベンジャーズ。ここからのノリはいつものアベンジャーズ。
ジョークが飛び交うエンターテイメントと早変わり。
参戦当初はこんなに重要な役柄とは全く思ってなかったよ。馬鹿にしてごめんよアントマン。

この後話は過去の関連作品を振り返りながらの話になっていく。
はっきり言ってここは11年間追いかけ続けてきたファンへのご褒美だね。笑あり涙ありの総まとめとなっていて、出演陣の懐かしい気持ちを追体験できる演出になっていた。
改めて、こんなにたくさんの登場人物をちゃんと活かせるのはすごい。実に素晴らしい脚本だね。

さてさて対してサノスサイド。

そういえばみんなはサノスは好きかな?

村田悠生は基本的にヴィランズ好きなので、サノスはもうめちゃくちゃ好きなんですよ。
前作のインフィニティウォーのサノスは本当にかっこよかった。
あくまで敵役であり悪役ではない。
自身の信念に従い、最愛の娘を手にかけてまで目的に突き進んだ。
もう後に戻れない。ここで諦めたら、負けたら、今までの全てが無駄になってしまう。
その信念の強さ覚悟の大きさがアベンジャーズを退けた最大の原因だったと思う。
まさに主人公の域だった。

だが、今作のサノスは、あることがきっかけで未来のインフィニティウォーの出来事を知ってしまう。
自分は未来で目的を果たしたと知ってしまう。そしてアベンジャーズが新たに集めたインフィニティストーンを奪うために未来にくるのだが、そこにいたのは、仲間たちを失い、最愛の娘を失い、覚悟を秘めたサノスではなく、ただ単純に力を求めたサノスだった。

ここがとても重要なのだ。
前作の悪役ではない敵役だったサノスは、今作ではただただ力を求めた悪役としてのサノスに成り果てていた。
そこにカリスマ性はなく、ただ目的のために破壊を繰り返す暴君だった。
ここの演出は、個人的にはとても残念だったんだよね。サノスには最後までカリスマで居て欲しかった。
もうこの時点でこのサノスは倒されるんだな。と悲しい気持ちになってしまった。

そしてアベンジャーズとサノス軍の最後の戦いが始まる。やばい。かっこよすぎる。もう単純にカッコいい。こんなにも胸を打つ戦闘があるだろうか。
この迫力と演出は是非とも劇場で見てほしい。そして驚愕のラストはその目で確かめてほしい。

ありがちな事を言ってしまった。

ではここでコラムらしく主観的な話をしてみよう。

11年間追い続けたアベンジャーズだったが、村田悠生は1回目にこの作品を見たとき、エンディングが終わり劇場に明かりがついたとき、正直腑に落ちなかった。
え?終わり?これで終わりなのか?という何とも言い難い気持ちになった。

例えて言うなら、大好きなバンドの解散ラストライブに行ったら、感動したけど納得するセットリストじゃなかった感覚。
最後の最後でアレンジを加えられてしまって「それじゃない感」を味わった感じ。
物足りない気持ちで、もう次はないのに…と不完全燃焼な気持ちになった感じだったのだ。

嘘だろ?これで11年間が終わるのか?と呆気にとられてしまった。

その気持ちの理由は2回目を見たときにわかった。
1回目に見たときは、登場人物の思惑、それこそさっき書いたサノスの変化、そういったものに気付けていなかった。
ちゃんと意味がある演出にすぐに気づくことができなかったのだ。

これは決して自分に言い聞かせているわけではなく、本当に1回目に見たときは読み取れなかったなと反省した。
感動していて冷静じゃなかったのかもしれない。
3時間が短く感じてしまうほどの内容の濃さに、集中力が途切れたのかもしれない。
アベンジャーズが終わりに近づくにつれて、現実から目を背けたかったのかもしれない。

大好きな作品が終わってしまう。
そんな虚無感に襲われた作品はアベンジャーズが初めてだった。

一番ショックだったのは、毎回恒例の様にある、エンドロール後の次回につながるショートストーリー。
今回はそのエンドロール後がなかったのだ。

エンドロールが終わり、ただただ普通に映画が幕を下ろしたのだ。
アベンジャーズはこれで終わりなのだと告げられたのだ。

アイアンマンから始まった11年間、22作品の大傑作は、これで終わりを迎えた。
その間、常に僕に感動と興奮を与えてくれた作品群に心からお礼を言いたい。
そして、アベンジャーズが終わり、新たな物語が始まる。今から楽しみで仕方がない。

先々月から3ヶ月にわたりアベンジャーズ関連のコラムを書いてきた。
正直最初は毎回アベンジャーズじゃ怒られるかな?飽きられるかな?と不安だったが、
書かずにはいられなかった。
自分の大好きな作品をもっともっとみんなにしてほしい、何が面白かったのか。なんで話題なのか。
もちろん内容の好き嫌いはあるだろう。こういう作品は嫌いなんだ。といわれてしまえばただの3時間の長いアクション映画だ。
でも、11年間この作品軍は続いたのだ。
それは快挙だと思う。お祭りに参加する気分で一度見てみてほしい。そして映画っておもしろいな。と感じてくれるととてもうれしいと思う村田悠生なのです。

村田悠生

村田悠生コラムニスト(タレント)

投稿者の過去記事

劇団東京乾電池を経て現在フリーで活動中
俳優業、声優業、ユーチューバーなど幅広く活動をしています。現在は個人事務所設立を目指して躍進中。
ゆうき13号名義でYouTubeで動画配信中。

特集記事

LIT

コラム記事








Staff Recommend

PAGE TOP