村田悠生「いざイグニッション!」 Vol.10 – ウッディーのトイストーリー

あなたはまだ─本当の「トイ・ストーリー」を知らない。

いやいや本当のトイストーリーってなんやねーん!
今までのは本物じゃなかなったんかーい!

そんな声が聞こえてきそうだよね。

見てきましたよトイストーリー。
かなり感想が分かれる作品になったよね。そもそも前作の「3」で完結させたと思っていたのの続くのかよ!ってね。
でもこれが真実。これがトイストーリーの後日談なんだなぁって。
正直僕は納得もできてるしいい作品になったとも思っている。

じゃあ何がいけなかったのか?
それはタイトルだ。

「トイ・ストーリー4」

皆さんはトイストーリーってどんな話だと思う?
おもちゃたちの物語。そう。そうなんだよ。

トイストーリーっていうのは、子供たちが遊んでいるおもちゃが、人の目が届かないところで様々な体験をし、
そんなおもちゃたちの物語を楽しむ作品だ。

だが、今回の「トイ・ストーリー4」はどうだろう。
恐らく作品を見た人はわかるだろう、ほとんどウッディーの視点で話が語られるのだ。
今までは色々なキャラクターの視点が絡み合い、おもちゃたちの物語として描かれているのに対し、
今回はウッディーの物語となってしまっていた。

確かにウッディーは主人公だが、バズも影の主人公であってとても重要なキャラだ。
そしてポテトヘッドもレックスもハムもスリンキーも、どれも最初期から一緒にいる仲間たちだ。
もちろん見ている僕らも、ウッディーのためにトイストーリーを見ている訳ではない。

「ゴルゴ13」を見たい人は、きっとゴルゴの出番が少ないとがっかりするだろう。
「コブラ」も「ブルース・リー」も「ゴジラ」もそうだ。

んじゃ逆に、
「アベンジャーズ」でキャプテンアメリカしか活躍しなかったら?
「トランスフォーマー」でオプティマスプライム以外大して活躍しなかったら?
「ポケモン」で終始ピカチュウ無双で終わったら?
他にもたくさん魅力的なキャラクターがいて、もちろんそのキャラのファンとして足を運んだ人もいるだろう。
だが開けてみたら、それキャプテンアメリアじゃん!オプティマスじゃん!なら名探偵ピカチュウ見たわ!そうなってしまうよね。
今回の「トイ・ストーリー4」がまさにそんな感じだった気がするのだ。
なので、今回のタイトルは「ウッディー」なのだ。でもそれじゃ数字を稼げない。
「トイストーリー」に対して「ウッディー」はあまりにも認知度が落ちる。

なら「トイ・ストーリー ウッディー」これくらいウッディーを主張したほうが良かったのではないだろうか。
それほどに今回の作品はウッディーの話だった。

ではウッディーの話として、この作品はどうだったのだろう。

とてもいい作品だった。

一人の男性の成長の話だ。

仕事、友情、恋、信念。
全てに苦悩する姿と、それを乗り越える姿。

仲間たちの助けがあり、今の自分のするべき事をちゃんと考えていた。
バズたちもそんなウッディーの背中を押してくれていた。

最後、ウッディーはバズ達のもとを去るのだけど、
結構周りで「友達を見捨てた」とか「友情が切れた」の様な事を言われているが、
これは逆だろう。

どんなに離れていても切れない強い絆が生まれたのだと思うのだ。

それぞれがそれぞれの生きる道を見つけ、そこに向かい進んでいくという物語なのだ。

バズたちが人のおもちゃとして、今の場所に残る決断をし、ウッディーたちは人のおもちゃではなく自由なおもちゃとして、
今までの人生ではない、新しい人生を手に入れた。
その決断と勇気はとても感動的で応援したくなる。そんな物語だった。

村田悠生

村田悠生コラムニスト(タレント)

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劇団東京乾電池を経て現在フリーで活動中
俳優業、声優業、ユーチューバーなど幅広く活動をしています。現在は個人事務所設立を目指して躍進中。
ゆうき13号名義でYouTubeで動画配信中。

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