「どこでもいい。さぁ、行こうか。」 Vol.21 – アーティストにならなくていい

人を感動させようとして感動させるのはエンターテイナー。
自分を吐き出して周りを共鳴させるのがアーティスト。

僕は後者でありたいとずっと思っていた。

相手の気持ちを重視してものを作る人間はエンターテイナー。
自分の気持ちを重視してモノを作る人間がアーティスト。

僕は後者でありたいとずっと思っていた。
だってアーティストのほうが「自分」をむき出しにした感じがして格好がいいから。

けどこのアーティストという言葉。自分で名乗っている人間は中々お目にかかれない。

何故ならこれは他人から与えられる称号だからだ。

こんにちは。中野のさまよう鎧こと野村太一です。
嗚呼。若かりし日の俺よ。エネルギーがあっていい。うらやましい。

いつの日からかアーティストって言葉を毛嫌いするようになっていた。

合コンで「俺?うん。アーティストやってる。」なんてやつが居たら激痛だろう。
履歴書に「職歴:アーティスト」って書いてあったらまず落ちるだろう。
アーティスト検定2級とか資格があるわけでもないし、

アイドルやってます!≒アーティストやってます!

これが世間のイメージだ。風当りは抜群に強い。生半可だと吹っ飛ぶ。
この言葉がインスタントに濫用され続けてきたもんだから今では全然輝かしいものに見えなくなってきた。悲しきかな、アーティストという言葉は今日も下落し続ける。

猫も杓子もアーティストを名乗るんじゃないよ。本物たちが消えてしまうじゃないか。
だから僕はこの言葉に執着しないようになったわけだ。

そもそも何故あんなにも肩書や称号を求めていたのか。
仕事が増えるから?信頼されやすいから?それもある。しかし理由はこれだ。

自分が何者なのかよくわからないから名前を付けてほしい

これなんだと思う。こんなちょっとナイーブな気持ちが根底にはあったんだと思うんですよ。
落ち着くからねー。名前があると。ジャンルがあると。
「どいつもこいつも型にはまりたいやつらばかりだ!この野郎!」なんて意気込んでみたものの、かくいう俺もその1人だったわけだ。

自我が道を歩く勇気を持っているフリをしていただけだったんだな。

けど分かる、それでいい。
その隠しもった怯えがあったからこそ今の自分が成り立ったわけで。

そんなにも我が道を歩ける強い人間だったら少々うざったいわ。

16年間音楽を続けてきて分かったことは。

何者でなくてもいいや。自分らしい自分でいよう。

というありふれた場所だった。

周りの目を気にすることは悪いことじゃない。
弱いところがあるのは悪いことじゃない。

大事なのは理想を目指すその姿勢だ。強く正直に生きようとするその心構えと行動だ。

ゆえに俺はアーティストじゃなくていい。そんなものは野良犬の餌にしてしまえ。

あなたは誰ですか?と聞かれたら。
ただの野村太一です、と答えよう。

当たり前なことだけど、これが今出した答えです。

諦めじゃない、ようやくスタート地点に立てた訳だ。なんと得難い日か。

自分に迷っている方、迷っているときは自分の名前を呼んでみてください。
自分以外の誰かであろうとしなくていい。

では今日はこの辺で。

【秋晴れの空】

野村 太一

野村 太一Yellow Studs(Vo.Key)、音楽制作、web制作、デザイナー、ナレーター

投稿者の過去記事

18歳で上京。美容専門学校に入学するも途中で退学。家賃29000円の風呂なしアパートやら転々としつつ中野に腰を据える。
数々のバイトで食いつないできたが、30歳で晴れてバンドやら何やらで生計を立てることになる。
社会人経験ゼロのダメ人間。

特集記事

LIT

コラム記事








Staff Recommend

PAGE TOP