神西亜樹

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.18 – yummy
Shugo Tokumaru (トクマルシューゴ) - Hora (Official Music Video)「おい、玄関で呼び鈴を鳴らしてるやつがいるぞ」僕はジジノスケに、呼び鈴が何回鳴らされているか尋ねた。「…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.17 – narrow
アレ。外、見てみてよ。「・・・クリスマスのライトアップか。なんだかんだ、今年もつくんだな」人を集めるためのライトアップなのに、今年は人が集まらないように工夫されてたりする。チグハグな世の中になってしまったものだ。…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.16 – 主題歌を見られる時代
「なあ神西」とジジノスケが言った。「お前、最近アニメをよく見てないか」ジジノスケは空想猫だ。怠惰で、目が合うたびにあくびをしているが、たまに鋭いことも言える猫なのだ。たしかに僕は今クール、意識的にアニメを見ている。粒ぞろいだから…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.15 – ダーティ・ナイト
最近、久しぶりに音楽を聴いてるんだよね。「なんで急に嘘をついたんだ?お前のいるところには常に音楽がかかってるだろ」ジジノスケの視線には、心配が混じっているように思える。僕はそんなに変なことを言ってしまったんだろうか。…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.14 – 犬の耳
おい見てみろ、と僕はすこし興奮気味にジジノスケに声をかけた。空想猫のジジノスケはあくびまじりにこちらによって来る。猫なので、昼夜が逆転しがちなのだ。僕はジジノスケの生活の半分も把握できていない。この前なんて「昨夜なにしてた?」と尋ね…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.13 – TODAY
Today / AIR【Official Music Video】「今日で一年だ」とジジノスケが言った。ジジノスケは空想猫だ。黒毛で、モップみたいな見た目をしている。彼が我が家に住み着いたのは、たしか一年前というわけではなか…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.12 – 硝子星
ああ。「なんの相槌だそりゃ。俺は何も言ってないぞ」ジジノスケが目を丸くして言った。そうだったろうか。どちらでもいいか。いまはこの部屋に思考を持ち込みたくない。もう、30度超えているのだ。定員オーバーなんだよ。思考なんて持ち込…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.11 – アメ
雨が降りそうだ。「ずいぶん詩的な表現をしたな」ジジノスケが何を言っているのか、一瞬わからなかった。この空想猫は、いつも猫であるということを忘れて好き勝手喋っているが、とうとう詩的という言葉の意味すら忘れてしまったのか…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.10 – 踊り方を変える必要がある
体がだるい。部屋にこもりきりで、筋肉がこわばっている。だからといって外に出られるかというと、そういうわけにもいかないご時世だ。ウィルスは僕の目には見えない。どこに潜んでいるかわからない。もしかしたら、いまも僕の隣に座って、ジ…

神西亜樹「透明な林檎」 Vol.09 – さくら
桜が咲くような春真っ盛りの時期が、僕の中で「三月上旬」というイメージになっているのは、おそらく三月九日という曲のせいだ。三月といったらあの曲。だったら春もあの曲の日付、と勝手に連想してしまう。レミオロメン - 3月9日(Music …